ISO14001改正のポイント

【第29回】社内の文書管理で最低限必要なことをピックアップ〜ISO14001:2015年版「7.5.2作成及び更新」等を読む

環境コンサルタント 安達 宏之
(洛思社 代表取締役/ 環境経営部門チーフディレクター)


ISO14001:2015年版の細分箇条7.5.2は文書化した情報(文書や記録)に関する「作成及び更新」を、7.5.3は「文書化した情報の管理」を規定しています。

まず、7.5.2「作成及び更新」では、文書や記録を作成・更新する際に、次の3点を行うことを求めています。

適切な識別及び記述(例えば、タイトル、日付、作成者、参照番号)
適切な形式(例えば、言語、ソフトウェアの版、図表)及び媒体(例えば、紙、電子媒体)
適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認

難しい内容だと思う読者もいるかもしれません。しかし、普段皆さんが管理している社内文書を思い浮かべながら、規格の要求事項を考えてみると、その対応は難しくないと思います。
ある製品に関する営業資料があるとします。それには、タイトルなどが記述され、販売計画等が文章や図表でまとめられ、プリントされ、上長の承認の基に社内文書として問題なく利用されているとします。そうであれば、基本的には上記 銑を満たしていると考えてよいと思います。

また、上記,筬△法嵶磴┐弌帖帖廚竜述が多いことも注目すべきです。その中には「参照番号」も掲げられていますが、一つの例示として挙げているにすぎないので、EMS文書に参照番号を必ず付けなければならないという要求事項では、もちろんありません。

ISO認証取得事業所の中には、社内文書に文書番号を付けるルールが無いにも関わらず、ISO文書だけには文書番号が付けられている状況をよく見かけます。 それが使いづらければ、マニュアル等を改訂し、通常の社内文書と同様のルールとすることも検討に値するのではないでしょうか。
次に、7.5.3「文書化した情報の管理」では、環境マネジメントシステム(EMS)や規格の要求する文書・記録について、次の2点を確実にするために管理することを求めています。

文書化した情報が、必要なときに、必要なところで、入手可能かつ利用に適した状態である
文書化した情報が十分に保護されている(例えば、機密性の喪失、不適切な使用及び完全性の喪失からの保護)
また、文書化した情報の管理に当たって、該当する場合には、次の行動に取り組むことも求めています。
配付、アクセス、検索及び利用
読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
変更の管理(例えば、版の管理)
保持及び廃棄

以上の要求事項についても、さきほど示した営業資料を例にすれば、次の対応で十分だと思います。

→社内サーバー上の営業部門の所定フォルダに格納する
→情報管理部門がデータのバックアップをしている
→上記,汎韻
→上記,汎韻
→文書冒頭に改定の日時を示している
→不要となった場合は、所定フォルダから削除する

以上のようにこれらの細分箇条で述べている要求事項を見てみると、驚くほど当たり前のことを言っているにすぎないことに気づくと思います。
普段の仕事を思い浮かべながら、自社の文書管理のルールを再確認し、それに沿って規格の要求事項を具体化していけばよいでしょう。
2015年版の規格が要求している文書化した情報は次の通りです。これを参考に、抜け漏れがないかを確認してみてください。

(2017年04月)