ここに注目!環境法

【第17回】アスベスト規制強化は、条例動向にも注意!

環境コンサルタント 安達 宏之 氏
((有)洛思社 チーフディレクター)

このコーナーにて何度かお伝えしているように、改正大気汚染防止法と改正石綿障害予防規則によって、平成26年6月からアスベスト規制が強化されています。

改正大気汚染防止法では、解体等工事の受注者に対して、規制対象となる工事に該当するか否かの調査結果等を発注者に説明することを義務付けています。
また、法の対象工事に該当する場合、発注者には都道府県への届出義務が発生します。

改正石綿障害予防規則では、集じん・排気措置について、排気口からのアスベストの漏えいの有無の点検が必要になるなど、建築物の解体等における吹き付けアスベストの除去措置が強化等されました。
さらに、アスベストの粉じんが発散するおそれがある労働者が就業する建築物等では、保温材、耐火被覆材、断熱材の除去、封じ込め、囲い込みなどの措置を求めるなど、アスベストを含む保温材等の措置が強化されました。

現在、多くの企業では、今後の解体工事に伴うアスベスト対策に備え、これら改正法への対応・周知が行われています。
これらの対応はもちろん大切なことですが、同時に、アスベスト対策を独自に定める自治体の条例動向にも注視して、対応を検討しなければなりません。

実は、平成17年にアスベストが大きな社会問題となった際に、国よりも自治体がいち早く対策に乗り出し、条例が制定または改正された結果、現在においても、各地に様々なアスベスト規制があります。

大気汚染防止法の改正に向けた審議会資料には、茨城・東京・新潟・石川・福井・京都・大阪・兵庫・鳥取・香川の10都道府県や10市のアスベスト規制に関する条例が紹介されています。
それによれば、解体工事前の事前調査義務、法対象外(アスベスト含有成形板等)の解体工事届出義務、測定義務、独自の作業基準順守義務など、自治体によって様々な独自規制が実施されています。

さらに、要綱や指針レベルでのアスベスト対策を見てみると、埼玉県の「石綿の除去工事に係る事前周知と相互理解の促進に関する指針」、東京都港区の「港区建築物の解体工事等の事前周知等に関する要綱」など、実に多くの自治体で独自対策が講じられていることがわかります。

こうした各地の条例規制のいくつかは、国の法改正を受けて、内容が変更されています。

福井県では、平成26年6月より改正アスベスト健康被害防止条例を施行しました。同条例は大気汚染防止法に基づくアスベスト除去工事を完了した後での届出義務を定めています、同法の事前届出義 務者が施工者から発注者等に変わったことに伴い、同条例の工事完了届出義務者も同様に変えました。

大阪府では、解体工事で1000平方メートル以上に渡ってアスベスト含有成形板が使用されている場合、条例に基づく届出が義務付けられています。福井県の条例改正と同様に、この対象が施工者から発注者等に変更されました。

このように、国の法改正が行われた後に、内容が関連する自治体の条例の改正が行われることも少なくありません。
自治体の条例動向にも、しっかりと目を配りたいものです。