ここに注目!環境法

【第20回】水質汚濁防止法の地下水規制、猶予期間終了まで後5カ月!

環境コンサルタント 安達 宏之 氏
((有)洛思社 チーフディレクター)

様々な企業を訪問して気づくのが、環境法の担当者は数年で交代になるということです。この場合、法規制対応の業務がうまく引き継がれずに、結果として違反状態が出てしまうというリスクがあります(一方、長期にわたって一人で担当を務めている場合もあります。これも別の意味で大いにリスクがありますが、このことは今回割愛します)。

平成24年6月に施行された改正水質汚濁防止法では、有害物質使用特定施設や有害物質貯蔵指定施設について、事業者は構造基準を順守するとともに、点検義務が課されました。トリクロロエチレンなど28の有害物質を取扱っている場合、規制対象になる可能性があり、その数は少なくないと言われています。

構造基準とは、不浸透性の床面にするなど、設備の構造について一定の水準を定めたものです。対象設備が構造基準を満たしていなければ、それを満たすための何らかの補強工事が求められます。
ただし、改正法では、施行時点、つまり平成24年6月1日時点で、既にこれら施設を設置している場合については、施行から3年間、つまり平成27年5月末日までは、点検義務があるのみで、構造基準の順守は猶予されました。

しかし、最近、企業を回っていると、対象施設を有している事業所において、構造基準順守のための設備補強がされていないばかりか、そのための検討も行われていない例が少なくないことに気づきます。
なぜか。冒頭に書いたように、この2年半の間に担当者が交代となり、誰も27年5月までに設備補強をしないといけないということに気づいていないからです。

しかし、本施設は届出施設なので、行政はどこに対象施設が設置されているかを把握しています。毎年4万件近く行われている立入検査によって発覚すれば、行政指導は必至ですし、改善命令を受け、それに対応できなければ1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するという罰則もあります。

「担当者が代わって知りませんでした」という言い訳はあまりにお粗末です。対策済か否か不安な企業は、内部監査や順守評価等の機会を活用し、いま一度、対応状況を確認すべきでしょう。

(2014年12月)