ここに注目!環境法

【第24回】化管法の新SDSがスタート!
〜混合物のSDS・ラベル表示が変わる

環境コンサルタント 安達 宏之 氏
((有)洛思社 チーフディレクター)

化学物質の安全データシート(SDS)とは、事業者が別の事業者に対して、対象の化学物質やそれを含有する製品を渡す際に、SDSというシートによってその化学物質等の取扱い等に関する情報を事前に提供することを求める制度です。

SDSの目的は、事業者が化学物質を適切に管理することにあります。そのため、SDSには、化学品・会社情報、有害性情報、組成・成分、応急措置、火災時の措置、漏出時の措置、適用法令など、所定の情報が記載されています。

SDSは、数年前まで「MSDS」と呼ばれていました。しかし、国連のGHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)において「SDS」という呼称となったために、現在では我が国でも「SDS」に統一されています。

さて、我が国には、このSDSの交付を義務付ける法律として、化学物質排出把握管理促進法(化管法)、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法の3つがあります。
このうち、化管法のSDS制度が平成27年4月から変わりましたので、注意して対応しなければなりません。

化管法SDS制度の対象は、「指定化学物質」と呼ばれる562の化学物質とともに、それを一定の比率以上含有している製品です(化学品)。
具体的には、562の化学物質のいずれかの含有率が1%以上の製品を指します。ただし、砒素及びその無機化合物などの「特定第一種指定化学物質」の場合の含有率のみ、0.1%以上と厳しめの基準を設定しています。

対象事業者は、対象の化学品について他の事業者と取引を行うすべての事業者となります。業種や事業者規模、取扱量の要件はないので、例えば仮に少量の化学品を渡す場合であってもSDSの交付は義務付けられています。
他の事業者に譲渡・提供する際、SDSで化学品の 特性・取扱い情報を事前に提供しなければなりません。

こうしたSDSについて、平成24年4月、その記載方法等が改正されました。純物質については、同年6月より、JIS Z 7253に適合する記載に努めることを求められたのです(努力義務)。JIS Z 7253は、前述した国連のGHSと整合するよう、従来のJIS Z 7250とJIS Z 7251を統合して制定されたものです。
27年4月からは、この努力義務が、純物質だけでなく、混合物にも適用されていますので、注意が必要です。

また、同時に、JIS Z 7253に適合するラベル表示に努めることも求められました(努力義務)。これについても、純物質は24年6月より、混合物は27年4月から適用されています。
なお、24年6月には改正化学物質管理指針も施行されており、事業者が講ずべき措置として、GHSに基づくJIS Z 7252及びJIS Z 7253に従って化学物質の自主的な管理の改善に努めることが追加されています。

SDSの対象物質は、数万もあると言われる化学物質の中から、有害性等の観点でいわば“選ばれた”ものです。
今回追加となった措置は、そうした物質等について法が新たに求めていることなので、努力義務規定だからと言って軽く考えず、積極的に対応すべきでしょう。まだ古いSDS等を使用している場合は新しいSDS等に切り替えることが求められます。

(2015年4月)