ここに注目!環境法

【第3回】改正省エネ法が成立! 建物への本格規制の第一歩!

環境コンサルタント 安達 宏之 氏
((有)洛思社 チーフディレクター)

5月31日、改正省エネ法が成立・公布されました。
今回の大きな改正点は次の2点です。
(1)電力ピーク対策の評価システムを導入!
電力需要のピーク時に企業が電力使用を低減するため、蓄電池やエネルギー管理システム(BEMS・HEMS)の活用等を行った場合に評価される仕組みを導入します。省エネ法の努力目標の算出方法を見直して評価されることが想定されています。

(2)トップランナー制度に建築材料を追加!
窓や断熱材、水回り設備等の「建築材料等」に省エネ対策を導入します。 具体的には、建築材料等を省エネ法のトップランナー制度の対象に追加し、住宅・建築物分野の省エネ性能の底上げを図ることを狙っています。

【今回、企業が特に注意すべきは、(2)の改正です。】

トップランナー制度とは、エネルギー消費機器の製造・輸入事業者に対して、目標年度までに高い省エネ基準(トップランナー基準)を満たすことを求める制度。目標年度には達成状況を国に報告します。これまで、自動車やテレビ、エアコンなどの23機器が指定され、本制度で省エネ性能が高まったと言われています。

このトップランナー制度に建築材料等が追加されることになりましたので、建築材料等のメーカーは製品の省エネ性能の向上に努めることになります。 ただし、住宅・建築物の省エネ対策は今回の改正法で終わるわけではありません。実はこの後に大きな改正が控えているのです。

昨年7月に、経済産業省・国土交通省・環境省の3省は合同で「『低炭素社会に向けた住まいと住まい方』の推進方策について・中間とりまとめ」を発表しました。その中で、2020 年までの具体的な工程表が示されています。 工程表によれば、大規模な住宅・建築物から順次、省エネ基準への適合を義務付けることになっています。小規模な住宅・建築物の適合義務化までの目標年が2020年。 つまり、2020年には、すべての住宅・建築物は、省エネ基準に適合しなければ建てられなくなるのです。その社会的な影響は大きなものとなるでしょう。

今回の改正省エネ法は、こうした住宅・建築物分野における省エネ対策の最初の措置とも言えます。
改正法の施行日は公布日から1年3カ月以内。今後、施行に向けた規則等の整備とともに、2020年から始まる本格規制の流れも見逃さないようにしましょう。