ここに注目!環境法

【第9回】カドミウムの排水基準が強化へ!  自治体動向にも注意を

環境コンサルタント 安達 宏之 氏
((有)洛思社 チーフディレクター)

水質汚濁防止法の排水基準のうち、カドミウムの基準が強化されようとしています。
11月11日には中央環境審議会の排水規制等専門委員会にて具体的な検討がスタートしました。ここでは、カドミウムの排水基準等の値の見直しや地下水の浄化基準値の見直し設定等が議論されています。

こうした動きは、平成23年10月にカドミウムの水質環境基準が0.01mg/l以下から0.003mg/l以下へと見直されたことなどを受けたものです。
いわば、厳しくなった行政の目標(環境基準)を達成するために、その手段(排水基準)を強化しようというわけです。

関連業界では、早くも、強化される排水基準値がどのようになるのかに関心が集まっているようです。一般に、健康項目に関する排水基準は、環境基準の10倍に設定されます。 カドミウムについても、従来は、改定前の環境基準値0.01mg/lの10倍である0.1mg/lが排水基準値でした。
今回も、改定後の環境基準値0.003mg/lの10倍の値、すなわち0.03mg/lとなるのではないかと言われていますが、これは専門委員会の議論を経なければ確定しません。

今後のスケジュールを見ると、半年程度、排水規制等専門委員会にて検討が行われた後、平成26年4〜5月には、報告がとりまとめられ、26 年度前半には報告の答申と改定の告示が行われる予定です。

カドミウムの用途としては、ニッケル―カドミウム電池、顔料、合金・接点材料、メッキ、塩ビ安定剤などとされています。河川等へ排出する業種を見ると、下水道業が約60%、次いで、非鉄金属製造業、廃棄物処理業等が続い ています。
こうしたカドミウムを取り扱う業種では、規制強化の動きを注意深く見守らなければなりません。

さらに、自治体動向にも注意する必要があります。
一般に、国の環境基準や排水基準が強化された場合、それに連動させて、上乗せ条例や生活環境保全条例等の自治体の独自規制も強化される傾向があるからです。
環境省によれば、カドミウムの排水基準について上乗せ排水基準を設定する35自治体のうち、新たな環境基準の10倍値よりも厳しい値を設定しているのは20自治体あります(11月審議会資料)。
これはさらに増える可能性があるでしょう。

大阪府は、上乗せ条例や大阪府生活環境保全条例に基づき、上水道水源地域に排水するすべての特定事業場及び届出事業場に対し、環境基準並みの排水基準を適用しています。
平成25年3月には、カドミウムの環境基準が0.01mg/Lから0.003mg/Lに改定されたことを受け、この排水基準の改正を行いました。

公害規制では、このように国の法改正の動きとともに、自治体の動きも同時zにウォッチする姿勢が求められます。