Q&A集

排出事業者が処理業者Aに処分を委託していたが、Aが無許可業者Bに処分を再委託していた場合、排出事業者が違反に問われることはあるのでしょうか?
排出事業者は廃棄物処理法に基づく「委託基準」を順守し、産業廃棄物処理をAに委託。が、Aは委託者(排出事業者)に無断で無許可業者Bに再委託をしていた。
このようなケースでは、基本的に委託者が委託基準違反となることはありません。
しかし、Aが無許可業者Bに再委託することを委託者(排出事業者)が承認していたと考えられる場合は、無許可業者への委託を委託者自身が幇助、あるいは教唆したとみなされる可能性があり、その場合は委託者が無許可業者への委託の共犯であるとして、訴追の対象となります。
また万が一、Bが不法投棄等の不適正処理を行っており、排出事業者がそれを認識し得た場合、「措置命令※」の対象となる可能性もあります。

※措置命令とは…
廃棄物処理基準に適合しない廃棄物の処分が行われたり、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる時に、市町村長や都道府県知事が期限を決めて、その処分を行った者などに対し支障の除去や被害の発生防止措置を取るよう命じること。

● 「委託基準」とは
産業廃棄物を自社で処理できない場合には、産業廃棄物処理業の許可を持っている専門の廃棄物処理業者に頼んで、産業廃棄物を処理してもらいますが、その時に、排出事業者が守るべき産業廃棄物処理の委託方法を「委託基準」といいます。 なお、委託基準違反があった場合には、法26条の罰則(懲役刑・罰金刑)の対象となります。

「委託基準」には、主に次のものがあげられます。

(法第12条第5項〜第7項、法第12条の2第5項〜第7項)
(1)処理を委託する相手は処理業の許可を有する者であること。(令第6条の2第1号、第2号)

(2)委託する業者は、委託しようとする産業廃棄物の処理が事業の範囲に含まれていること。(令第6条の2第1号、第2号)

(3)委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。(令第6条の2第4号)

イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
ロ 産業廃棄物の運搬を委託するときは、運搬の最終目的地の所在地
ハ 産業廃棄物の処分又は再生を委託するときは、その処分又は再生の場所の所在地、その処分又は再生の方法及びその処分又は再生に係る施設の処理能力
ニ 産業廃棄物の処分又は再生を委託する場合において、当該産業廃棄物が法第15条の4の5第1項の許可を受けて輸入された廃棄物であるときは、その旨
ホ 産業廃棄物の処分(最終処分(法第12条第5項 に規定する最終処分をいう。 以下同じ。)を除く。)を委託するときは、当該産業廃棄物に係る最終処分の場所の所在地、最終処分の方法及び最終処分に係る施設の処理能力
へ その他環境省令で定める事項

(4)契約書及び契約書に添付された書類を契約終了日から5年間保存すること。(令第6条の2第5号、規則第8条の4の3)

● 「注意義務違反」とは
排出事業者は、委託基準やマニフェスト等の法令順守に加えて、産業廃棄物の発生から最終処分までの一連の処理が不適正に行われないよう、必要な処置を講ずることが求められており、これを「注意義務」といいます。
(法第12条第7項) なお、万が一、委託先産業廃棄物処理業者が不法投棄等を行った場合には、注意義務違反に問われることとなり、法第19条の5、第19条の6の「措置命令」の対象となります。

「注意義務」には、主に次のものがあげられます。

(法第19条の6第2号、「行政処分の指針について(平成17年8月12日)」)
(1)著しく安い処理料金で廃棄物処理業者に委託していないかの確認

(2)不適正処理を行うおそれのある産業廃棄物処理業者でないかの確認

   例)行政から改善命令等を受けていないかの確認
   処理実績や処理施設の現況確認
   最終処分場の残余量の確認
   中間処理業者と最終処分業者の委託契約書の確認  etc

(3)委託している産業廃棄物処理業者が不適正処理を行っていないかの確認

※注意義務を果たすための具体的な措置等については、環境省通知「行政処分の指針について(平成17年8月12日)」P28P29に示されておりますので、ご確認下さい。
 「行政処分の指針について(平成17年8月12日)」   ⇒ http://www.dinsgr.co.jp/common/img/shishin.pdf