環境コラム

コラム環境コラム

環境コンサルタント講師の解説による、環境法のポイントをご紹介します。

執筆:環境コンサルタント 安達宏之氏 (洛思社 代表取締役/環境経営部門 チーフディレクター)

安達宏之氏
プロフィール
2002年より現職。主なテーマは「企業向け環境法」「環境経営」。
執筆のほか、企業の法令管理システムやISO14001等の構築、個別調査・コンサルティングなどを行う。
ISO14001主任審査員として、審査業務にも携わる。
各地で企業の環境法担当者向けの環境法セミナー講師を務める。

【第11回】改正フロン法、ユーザー義務の内容がより具体化へ!

環境コンサルタント 安達 宏之氏
洛思社 代表取締役/ 環境経営部門チーフディレクター

昨年の国会で改正フロン法が成立し、来年の2015年4月の全面施行に向けて、制度の詳細が検討されています。

現行のフロン回収・破壊法は、業務用エアコンなどの「業務用冷凍空調機器」を廃棄する際に、フロン類を適切に回収・破壊するものでしたが、改正法は規制のウイングを大きく広げ、フロン類の使用削減と管理強化を図りました。

その中でも注目されているのは、業務用エアコンなどの「業務用冷凍空調機器」のユーザーに新たな義務を追加したことです。

改正フロン法では、機器のユーザーは、日頃から国が定める機器の管理基準に従わなければならず、一定以上の冷媒フロン類を漏えいしたユーザーに対して漏えい量を国へ報告することを義務付けました。

2014年1月17日、国の審議会にて、この管理基準のより具体的な内容が明らかにされました。

まず、機器の管理者に対しては、次の3点を求めるということです。
(1)平常時、機器の簡易点検・定期点検
(2)フロン類が漏えいした場合の速やかな漏えい箇所特定・修理
(3)点検(簡易点検・定期点検等)・修理・再充てんに関する履歴の記録・保存

定期点検の内容としては、すべての対象機器の管理者に対して、日常的な温度点検とともに、四半期ごとに1回以上等の頻度での簡易点検(外観検査など)を掲げ、点検結果を記録します。
記録は機器を廃棄するまで保存します。

さらに、「一定規模以上」の対象機器を管理している場合、年1回以上等の頻度での定期点検(検知器等での本格的な点検)を行い、その記録を保管することを求めています。
また、この点検を行う者を一定の講習を修了した者などの有資格者としています。なお有資格者は社外の者でも問題ありません。
点検の頻度や対象規模などは今後具体的に示されることになるでしょう。

引き続き審議動向には注視すべきです。

強力な温室効果ガスであるフロン類をこれ以上大気に出さないための措置が今回の法改正です。

国の調査によれば、漏えい有無の定期点検をしていない機器の11%で冷媒漏えいが発見された一方、定期点検をしている機器では2%にとどまり、5分の1以下であることが確認されています。
定期点検が冷媒漏えいの早期発見・予防保全に効果があるということで、今回の制度が導入されました。

全面施行の2015年4月を待つことなく、少なくとも対象機器を社内でどれほど有しているかの現状把握に努め、早め早めに対応手順を検討することが望まれます。

PAGE TOP