産業廃棄物処理の基礎知識

産廃概要

廃棄物とは

廃棄物とは、占有者自ら利用し、また他人に有償売却できないため不要になった固形状又は液状のものをいい、「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に区分されます。

産業廃棄物(21品目)

燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残渣、動物系固形不要物、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず、鉱さい、がれき類、動物のふん尿、動物の死体、ばいじん、輸入廃棄物、令13号

特別管理産業廃棄物

廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、特定有害産業廃棄物(検査液等の有害廃棄物)

廃棄物処理法

廃棄物の処理及び清掃に関する法律は、廃棄物の排出を抑制し、廃棄物の適正な分別、保存、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることににより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律です。

リサイクルの種類

リサイクルの目的は、資源の循環利用により、石油など限りある資源を節約し、また環境への負荷を出来る限り低減することにより、最終的には循環型社会を目指し、廃棄物そのものを削減していくことです。

マテリアル・リサイクル
廃棄物を溶融して二次製品を成形したり、破砕粉砕し直接又は、他の物質と混合して利用する方法。
サーマル・リサイクル
固形燃料としたり、廃棄物を燃焼してボイラーで発生した蒸気を利用して、熱源として使うか、発電を行う方法。
ケミカル・リサイクル
プラスチックの油化など、化学反応により物質をガスや油に変えるなど、変化した状態で再生利用する方法。

3Rとは

廃棄物のReduse(発生抑制)、Reuse(再使用)、Recycle(再利用)の3つのことです。最近では5R、Refuse(不必要なものの購入を避ける事)、Reduse、Reuse、Repair(修理)、Recycleとも言われています。

不法投棄に対する罰則

不法投棄した場合、5年以下の懲役または1000万円(法人には1億円まで加重ができる)以下の罰金にするなど、厳しい罰則が設けられています。

産廃処理のしくみ

処分方法

廃棄物の処分方法には、焼却、乾燥又は、破砕等を行う「中間処理」のほかに、廃棄物を埋め立てる「埋立処分」、「再生」などがあります。

最終処分場

廃棄物は種類に応じた「最終処分地」で埋め立てなければなりません。
最終処分場には「安定型」と「管理型」があります。

管理型最終処分場とは、最終処分場のうち遮断型処分場・安定型処分場で処分される産業廃棄物以外の産業廃棄物と一般廃棄物を埋め立てる処分場です。ここでは埋立地から出る浸水や、それによる地下水の汚染を防ぐため、遮水工(処分場の底にシートを張って汚水が地下に浸透しないようにすること)や、浸出水の集水から処理に至る設備を必要とします。
逆に安定型最終処分場は、汚水が出る心配がないガラス、金属、プラスチック、ゴム、がれき類等の廃棄物を埋立てる処分場のことを言います。

※遮断型最終処分場とは、有害物質が基準値を超えて含まれている燃え殻、ばいじん、汚泥、鉱さいなどの特定有害廃棄物を埋立てる処分場のことを言います。遮断型最終処分場は、コンクリート製の仕切りで公共の水域および地下水と完全に遮断される構造になっています。

廃棄物の実務

廃棄物の保管

保管とは、廃棄物が搬出、積み替え又は処理されるまでの間の一時的なものであり、保管基準、処理基準に従って保管施設等で生活環境保全上支障が生じないよう適正な管理を行わなければなりません。
また、保管後の廃棄物の処理計画(処分方法、処分先等)が定められていないときは、不法投棄や不適正処理とみなされることがあります。

契約

産業廃棄物を排出する場合、排出事業者は収集運搬業者、処分業者と契約を結び、適切に廃棄物を処理しなくてはなりません。委託契約書は、契約終了日から5年間、保存することが義務づけられています。

委託契約の注意点

処理業者と委託契約を結ぶにあたっては、相手の業者が都道府県知事等の許可を受けているかどうか、委託する産業廃棄物の取り扱いが許可を受けている範囲かどうか、処理基準を満たしているかどうかなどを確認する必要があります。これらは委託する業者の「産業廃棄物処理業許可書」で確認できます。
取り扱うことのできない廃棄物の処理を委託したり、処理能力が不十分な業者に委託すると罰則(委託基準違反)を受けます。

マニフェスト

産業廃棄物の収集・運搬や中間処理(無害化や減量化などの処理)、最終処分(埋め立て処分)などを他人に委託する場合、排出者が委託者に対して「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」を交付し、処理の流れを確認する制度です。マニフェスト(管理票)は7枚つづりの伝票(A・B1・B2・C1・C2・D・E)で、産業廃棄物の種類や数量、運搬や処理を請け負う事業者の名称などを記載します。
それぞれの処理後に排出事業者が各事業者から処理終了を記載したマニフェストを受け取ることで、委託内容どおりに廃棄物が処理されたことが確認できます。

マニフェスト制度に関する義務違反とその罰則

不交付や虚偽記載、保管義務違反などは50万円以下の罰則に処せられます。また、措置命令に従わなかった場合5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金に処せられるなど厳しい罰則があります。

電子マニフェスト

電子マニフェスト制度は、マニフェスト情報を電子化し、排出事業者、収集運搬事業者、処分業者の3者が情報処理センターを介したネットワークでやり取りする仕組みです。情報処理センターは、廃棄物処理法第13条の2の規定に基づき、(財)日本産業廃棄物処理振興センターが全国で1つの「情報処理センター」として指定され、電子マニフェストシステムの運営を行っています。
電子マニフェストを利用する場合、排出事業者と委託先の収集運搬業者、処分業者の3者が加入する必要があります。

電子マニフェスト導入のメリット

1. 事務処理の効率化

  • ・ パソコンや携帯電話により、マニフェスト情報を簡単な入力操作で登録・報告できます。
  • ・ マニフェスト情報は情報処理センターが管理・保存するため、マニフェストの保存が不要です。
  • ・ パソコンで廃棄物処理の状況を簡単に把握・確認できます。
  • ・ マニフェスト情報をダウンロードして自由に活用できます。
  • ・ マニフェスト情報の一覧や受渡確認票(単票)の印刷ができます。

2. 法令の遵守

  • ・ マニフェストの記載漏れがありません。
  • ・ 排出事業者がマニフェスト登録しないと、流れがスタートしません。
  • ・ 排出事業者の処理終了確認期限が近づくと自動的に確認して、排出事業者に注意喚起します。

3. データの透明性

  • ・ マニフェスト情報は第三者である情報処理センターがデータを管理・保存しています。
  • ・ マニフェスト情報の変更・取消等の履歴をシステムで管理しています。

電子マニフェストの運営

財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター 情報処理センター

交付報告義務

平成20年より「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」の提出が義務化されています。
これは廃棄物処理法に基づいて施行され、産業廃棄物を排出する事業者は排出事業場ごとにマニフェストの交付状況を報告しなけらばなりません。
※ただし、電子マニフェストを利用している排出事業者は管理表の報告義務はありません。

処分場視察

排出事業者は、委託した廃棄物が適切に処分されているかを確認するため、処分場に実地調査に行きます。

環境経営

環境経営システムガイドライン(エコアクション21)

エコアクション21は、「環境への取組を効果的・効率的に行うシステムを構築・運用・維持し、環境への目標を持ち、行動し、結果を取りまとめ、評価し、公表する」ための方法として、中小企業、学校、公共機関などの幅広い事業者を対象に環境省が策定したガイドライン

ISO14000、26000

ISO14000 → ISO(国際標準化機構)が発効した環境マネジメントシステムに関する国際統一規格
ISO14001 → ISO(国際標準化機構)が定める環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格。EMSとは組織が活動する際に環境になるべく負担をかけないような活動を行うとともに、継続的に改善していく仕組みのこと。

ISO14001は、業種あるいは企業活動を問わず適用できる環境マネジメントシステムの国際規格。
ISO26000 → 企業の社会的責任に関するISOのガイドライン
ISO26000 → 組織の社会的責任(Social Responsibility)に関する第3者認証を目的としない国際ガイダンス規格。

環境マネジメントシステム

組織が自ら環境保全に関する取組みを進めるにあたり、環境に関する方針、目標、計画を設定し、その目標を達成するために取り組んでいく事を環境マネジメントシステム(EMS)と言います。

CO2排出量抑制

地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)を2020年までに1990年比で25%削減する目標を掲げています。

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