現在、フロン回収破壊法の改正案が国会で審議中です。
この改正案はあまり注目されていませんが、法案が成立すれば、少なからず多くの企業にも影響を及ぼすことになるので、その動きには十分注意を払いたいものです。
本法の規制対象は、業務用エアコンなどの「業務用冷凍空調機器」。
これまでの本法では、これらに利用されていたフロン類を適切に「回収」「破壊」することが目的でした。
今回の改正では、法律名を「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」に改め、フロン類の使用削減と管理強化を図ることになりました。 これに伴って、この業務用エアコンなどを使用するユーザーに対する規制が大幅に強化されることになります。
そのポイントは次のとおりです。
(1)ユーザーに基準に基づいた管理を求める!
国が使用管理の基準を決めるので、ユーザーはそれを守らなければなりません。基準は改正法の施行までの間に策定されることになりますが、大型機器の知見者による定期点検制度や、漏えい発見時の処理・記録も含まれてくるようです(H25.3.22中央環境審議会意見具申「今後のフロン類等対策の方向性について」)。
(2)冷媒漏えい量の報告制度の導入!
一定以上の冷媒フロン類を漏えいしたユーザーは、漏えい量を国へ報告することが義務付けられます。
これまでユーザーの義務とは、実質的に機器を廃棄する段階でルールに即した廃棄が求められていたにすぎませんでした。しかし、今回の改正により、機器の使用段階から様々な規制を受けることになります。
改正法案の施行日は公布から2年以内。
改正動向をしっかりチェックしていきましょう。
▶︎ フロン法改正案の概要(環境省)
⇒http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16565
▶︎ 本テーマに関する中央環境審議会の意見具申
⇒http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16474