ガバナンス Governance
基本的な考え方
大栄環境グループは、お客さまや社会からの信頼に応え、企業価値を高めていくために、
「経営の公正性と透明性の向上」「取締役会・監査等委員会の監督機能の充実」を図り、
企業競争力の強化、迅速かつ合理的な意思決定の確保、透明性の高い健全な経営に取り組んでいます。
また「内部統制基本方針」を制定し、内部統制システムを整備することにより、
適法かつ効率的に業務を執行する体制を確立しています。
コーポレート・ガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス体制
当社は2024年6月26日に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。取締役である監査等委員が取締役会における議決権を有し、さらに、社外取締役が過半数を占める監査等委員会が「適法性監査」に加えて「妥当性監査」を行うことで、取締役会の監督機能を強化していきます。 また、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図るため、リスク管理・コンプライアンス委員会などを設置するとともに、迅速な意思決定や機動的な業務執行、グループ経営を図るため、グループ経営会議を設置しています。
コーポレート・ガバナンス体制図

コーポレート・ガバナンス体制の概要等
取締役会の実効性に関する評価結果の概要
役員の状況
取締役
男性5名、⼥性2名(取締役のうち⼥性の⽐率28.6%)
役職名 | 氏 名 |
---|---|
代表取締役社長 | 金子 文雄 |
取締役 | 大田 成幸 |
取締役 | 大仲 一正 |
社外取締役 | 村上 知子 |
取締役(常勤監査等委員) | 峯森 章 |
社外取締役(監査等委員) | 村井 一雅 |
社外取締役(監査等委員) | 北嶋 紀子 |
執⾏役員
当社では、意思決定と業務執行の分離による迅速な業務執行を図るため、執行役員制度を導入しており執行役員は次のとおりです。
役職名 | 氏 名 | 役職名及び担当 |
---|---|---|
社長執行役員 | 金子 文雄 | ー |
専務執行役員 | 大田 成幸 | 事業・技術担当 |
常務執行役員 | 大仲 一正 | 営業本部長 営業担当 |
執行役員 | 下田 守彦 | 総合政策本部長 総合政策担当 |
執行役員 | 出射 邦彦 | 社長付 社長特命担当 |
執行役員 | 鰐部 仁 | 経営管理本部長 経営管理担当 |
執行役員 | 下地 弘章 | 事業本部長 事業副担当 |
執行役員 | 田中 厚夫 | 三木事業所長 三木事業所運営担当 |
執行役員 | 平井 俊文 | 三重中央開発株式会社代表取締役 三重中央開発株式会社経営全般担当 |
執行役員 | 森田 憲一 | 三重中央開発株式会社取締役 三重中央開発株式会社開発業務担当 |
執行役員 | 下地 正勝 | DINS関西株式会社代表取締役 DINS関西株式会社経営全般担当 |
執行役員 | 石川 光一 | 株式会社ジオレ・ジャパン取締役 株式会社ジオレ・ジャパン営業担当 |
執行役員 | 釘宮 新⼀ | 経営管理本部副本部⻑ 経理部⻑ 経営管理副担当 |
執行役員 | ⼤塚 健護 | 経営管理本部副本部⻑ 総務部⻑ 経営管理副担当 |
執行役員 | ⼭⽥ 眞 | 技術部⻑ 技術副担当 |
執行役員 | 濱嶋 弘之 | 営業本部副本部⻑ 営業副担当 |
執行役員 | 前⼭ 泰彦 | 三重中央開発株式会社取締役 三重事業所⻑ 三重中央開発株式会社運営担当 |
執行役員 | 中村 ⿓男 | 株式会社共同⼟⽊代表取締役 関東エリア事業担当 |
取締役のスキルマトリックス
役員に対するトレーニング
社外役員の状況
社外取締役⼜は監査等委員である社外取締役による監督⼜監査と内部監査、監査等委員及び会計監査との相互連携並びに内部統制部⾨との関係
監査の状況
当社は2024年6⽉26⽇に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移⾏しました。監査体制は下記の通りです。
当社における監査は、監査室と監査等委員会(移⾏以前は、監査役)が会計監査⼈と定期的な意⾒交換の場を設け、内部監査結果、監査等委員監査結果、会計監査結果(四半期レビュー、年度監査)の情報共有を⾏い、相互補完を⾏うことによって、それぞれの効果的な監査を実施しています。 監査等委員(移⾏以前は、監査役。以下同様)における業務監査は、常勤監査等委員1⼈と社外取締役である監査等委員2⼈で実施しています。また、「監査等委員会規程」に基づき、監査等委員会を毎⽉開催しています。
監査等委員は、取締役会などの重要な会議へ出席するほか、業務執⾏に係る重要書類などを確認し、当社および⼦会社の役員と従業員から監査に必要な情報について随時報告を受けています。また、代表取締役社⻑との意⾒交換を定期的に実施しています。
内部監査は、代表取締役社⻑執⾏役員直属の組織である監査室が実施しています。監査室は、各部⾨の業務活動および諸制度の運⽤状況について、経営⽬的に照らした監査を⾏っています。定期的に監査等委員会(⽉1回)および会計監査⼈との調整(年2回)を⾏い、効率的な内部監査の実施に努めています。また、内部監査結果に基づいて、被監査部⾨に指導・助⾔・勧告を⾏っています。加えて、監査終了後には、監査意⾒および被監査部⾨の意⾒などを総合的に検討・評価して「内部監査報告書」を作成し、取締役会、代表取締役社⻑執⾏役員および監査等委員会に報告しています。
監査役監査の状況
内部監査の状況
会計監査の状況
役員報酬
取締役の報酬等は、株主総会の決議をもって定める旨を定款で規定しており、株主総会で決議された限度額の範囲内で役職、在任期間、業績などを総合的に勘案し、決定しています。また、報酬等に関する手続の公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、指名・報酬諮問委員会を設置しており、独立社外取締役を委員長として、代表取締役社長執行役員1人と社外取締役2人で構成しています。指名・報酬諮問委員会においては、取締役の報酬体系、報酬決定の方針など、取締役会から諮問を受けた事項について審議し、その内容を踏まえ最終的に取締役会が決定しています。
取締役※および執行役員を対象に、固定報酬に加えて、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めていくことを目的として、「役員報酬規程」に基づき業績目標の達成度合いに応じて変動する業績連動型譲渡制限付株式報酬を導入しています。また、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役)の報酬は、固定報酬と譲渡制限付株式報酬により構成されています。
※ 社外取締役および監査等委員である取締役を除く

役員報酬支給額(2024年3月期)
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数(人) | ||
---|---|---|---|---|---|
固定報酬 | 業績連動報酬 | 非金銭報酬等 | |||
取締役 (社外取締役を除く) |
147 | 137 | - | 9 | 4 |
監査役 (社外監査役を除く) |
10 | 10 | - | - | 1 |
社外役員 | 19 | 19 | - | - | 4 |
(注)非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当連結会計年度(2024 年3月期)における費用計上額を記載しています。
関係会社管理
大栄環境グループは、当社とその連結子会社37社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社6社、持分法非適用関連会社5社の計50社で構成されています(2024年8月末時点)。
当社は、「内部統制基本方針」を制定し、企業グループにおける業務の適正を確保するための体制を構築しています。関係会社の統制については、「関係会社管理規程」を定め、当社の経営管理本部が中心となって、子会社管理基本方針に基づいて関係会社の業務が円滑に推進できるように適宜指導・支援を行っています。
経営上の重要事項については、グループ経営会議で意思決定しています。また、内部牽制を強化するため、当社から取締役や監査役を派遣するとともに、監査室による内部監査や監査等委員における業務監査を実施しています。
政策保有株式
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上、安定的な資金調達や金融取引等の取引関係の維持、廃棄物処理受注における取引強化などの観点から、政策保有株式として取引先の株式を保有しています。保有株式の状況については、四半期に1度、取締役会に報告しています。当社事業の発展に照らして保有する意義の乏しい銘柄については、適宜株価や市場動向を考慮し、規程に定める決裁を得て売却しています。なお、新規の政策保有株式の取得は行わない方針です。
議決権行使にあたっては、発行会社の中長期的な企業価値の向上に資するかどうかという観点から、議案内容を精査しています。
政策保有株式の保有状況

コンプライアンス
コンプライアンスは、事業の永続性を高め、環境創造企業として進化し続けていくために最も重要なものと認識しています。2022 年4月には、「大栄環境グループ・ビジネス・コンダクト・ガイドライン」を策定しました。これは、全役職員が遵守すべき具体的な行動基準です。全役職員が実践することで、より一層社会から信頼され、必要とされ、誇りを持って働くことができるグループを築き上げていくことを目標としています。
コンプライアンス体制図

コンプライアンス教育
2024年3月期は、18項目にわたる教育を実施しました。
- ●「大栄環境グループ・ビジネス・コンダクト・ガイドライン」「インサイダー取引研修」
対象:全役職員、常駐の協力会社の従業員 - ●「内部通報制度」や「ハラスメント研修」など11項目
対象:全役職員 - ●「廃掃法セミナー」や「下請法セミナー」など5項目
対象:特に関係する役職員
全ての教育について記録を取ることで、対象者がもれなく受講していることを確認しています。
2025年3月期は18項目の教育を実施する予定です。
内部通報制度
不正行為などの早期発見と是正、コンプライアンス経営の強化を目的に、大栄環境グループの全ての役員・社員・契約社員・パートタイマー・アルバイト・派遣社員(以下、役職員等)および取引先が内部通報制度を利用できる仕組みを構築しています。また、全役職員等からの組織的または個人的な社内規程違反行為およびコンプライアンス違反などに関する相談に対応しています。
社内窓口は独立した組織である監査室内に設置していますが、監査室に関連する事案である場合には当社の総務部長または常勤監査等委員に、当社の取締役に関連する事案である場合には当社の監査等委員に通報することができます。社外窓口については、会社が指定する外部の弁護士が対応しています。
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
社内窓口 | 3 | 14 | 10 | 24 |
社外窓口 | 2 | 1 | 5 | 5 |
合計 | 5 | 15 | 15 | 29 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
不正行為など | 2 | 1 | 1 | |
規則・規程 | 2 | 4 | 8 | |
ハラスメントなど | 1 | 9 | 9 | 15 |
業務改善など | 3 | 1 | 1 | |
人事への不満等 | 2 | 1 | 4 | |
合計 | 5 | 15 | 15 | 29 |
内部通報が発生した場合の対応
内部通報が発⽣した場合は、監査室が中⼼となって関係者のヒアリングなどを⾏い、調査します。また、事業上重要な影響がある事案が発⽣した場合は、常勤監査等委員および独⽴社外取締役に⼀報したうえで、調査を実施し、「リスク管理・コンプライアンス委員会」で協議し迅速に対応します。内部通報の結果に基づき、従業員の処分を⾏うとともに、コンプライアンス教育などの再発防⽌を⾏っています。その結果は、取締役会および監査等委員会に報告しています。
税務
当社は、税務に関するすべての法令を遵守し、誠実で透明性の高い姿勢での行動を重視しています。税務申告や納税に関する適切な手続きを厳格に守り、合法的かつ公正な税務活動を行っています。また、税務リスクの予防と管理に努め、税務当局との円滑なコミュニケーションを図り、税務に関する疑義や問題が発生した際には、迅速かつ適切に対処し、社会的責任を果たします。
リスクマネジメント
当社は、気候変動や人的資本をはじめとするサステナビリティ課題に対応するため、代表取締役社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」において、リスク・機会を特定・評価しています。また、その他の大栄環境グループ全体のリスクは、代表取締役社長執行役員を委員長とする「リスク管理・コンプライアンス委員会」において、特定・評価しています。各委員会は、統一の判断基準に基づいて重要度を決定するとともに、法令・規制などの外部環境の変化に応じてリスク項目などの追加変更や重要度の見直しを行っています。各委員会で重要度が高いと判断したリスクについては、取締役会に付議・報告することで、大栄環境グループ全体のリスクを統合的に管理しています。
サステナビリティ課題に関するリスク
2024年3月期は、年に2回、サステナビリティ推進委員会を開催し、サステナビリティに関する各種方針やリスク・機会を特定・評価を行いました。
これまで気候変動に関するリスク・機会の対象範囲は、当社グループの「廃棄物処理・資源循環」「土壌浄化」における主要4社である当社、三重中央開発株式会社、DINS関西株式会社、株式会社ジオレ・ジャパンであり、その4社について1.5℃および4℃の気候変動シナリオを用いたシナリオ分析を行い、事業のリスク・機会分析とその対応を行っていましたが、気候変動に関するリスクが高まりつつあることから、連結法人と事業セグメントに拡大することを同委員会で諮問し、取締役会に答申して決定しました。
その他当社グループ全体のリスク
2024年3月期は、当社グループ全役職員の行動規範として、「大栄環境グループ・ビジネス・コンダクト・ガイドライン」を、コンプライアインス教育を通じて、全役職員に再周知するとともに、法令・規則などの外部環境の変化に応じてリスク項目の追加変更や重要度の見直しを行いました。
リスクが顕在化した場合には、「リスク管理・コンプライアンス委員会」で協議のうえ、当該リスクの所管部門において再発防止策を実施しています。また、リスクが顕在化した部門だけでなく、グループ全体に周知し、必要に応じて自己点検を実施して再発防止に努めています。同委員会で重要度が高いと判断したリスクについては、取締役会に付議・報告することで、当社グループの損失または不利益の最小化を図っています。
リスク見積もりのためのマトリックス表

リスク管理体制図

情報セキュリティ対策
大栄環境グループ全役職員の行動規範である「大栄環境グループ・ビジネス・コンダクト・ガイドライン」に「情報管理の徹底」を方針として定め、周知徹底しています。また、「秘密情報管理規程」をはじめ、「個人情報保護規程」や「電子情報セキュリティ実施細則」などの社内規程を整備、運用しています。
2024年3月期は、全役職員に対して、「個人情報保護法研修」を行い、情報漏洩のリスクとその対応策を説明し、情報管理の重要性を周知しました。
事業継続計画(BCP)
「廃棄物処理業務を継続する責任を果たすこと」「事業中断による影響を最小化し、早期復旧を可能にすること」「従業員・協力会社の従業員の安全を確保し、雇用を守ること」を目的として、事業継続計画(BCP)を定めています。
BCPでは、発動基準を定めるとともに、発動時に迅速な対応が取れるよう、対策本部の組織と役割を定めています。また、本部部門社屋が被災して復旧のめどが立たない場合には、地震による被災リスクが小さいと想定している三木リサイクルセンターなどを対策本部の代替拠点として定め、指揮命令系統の喪失といった不測の事態に備えています。大栄環境グループ各事業所においても、重大事故などの発生時の対応手順をそれぞれ定めています。
今後、これらを有機的に結合し、より実践的な内容にブラッシュアップしていく計画です。
災害発生時に大栄環境グループに期待される「循環社会を支える社会インフラ」としての役割を果たせるよう、今後もより良い計画への見直しを継続していきます。