社会 Social
基本的な考え方
私たちは、中⻑期的に社会に顕在化するさまざまな課題の解決に向けて、積極的に施策に取り組んでいます。
社会を支える企業として
⼈⼝減少に伴う⾏政の財政問題、温暖化により激甚化する災害等、社会全体において喫緊の課題が数多くあります。当社グループは課題解決のためにさまざまな施策に積極的に取り組み、社会を⽀える企業として責任を果たしていきます。
地域循環共生圏の構築
労働生産人口が減少する中、行政における財政健全化への歳出改革は喫緊の課題です。 地域社会に必要不可欠な社会インフラである廃棄物処理施設を民設民営により効率的に整備し、持続可能な社会づくりに取り組んでいく必要があると考えています。当社グループは2031年3月末までに、全国12カ所で公民連携による地域循環共生圏の構築に向けた合意形成を目指しています。エリア毎の行政や信頼できるパートナー企業と共に、各地域の状況に応じて開設したエネルギーセンターで廃棄物をエネルギーや資源として地域に循環していきます。
災害廃棄物処理
地球温暖化により激甚化する災害への備えは、社会全体にとって喫緊の課題であり、公民連携を推進する上でも重要です。当社グループは体制整備や独自の技術開発、事業者間のネットワークづくり、対応マニュアル改定など、災害廃棄物処理に一貫して迅速に対応できる仕組みを構築しています。



持続可能な収集運搬
労働時間管理と多様な働き方による運搬体制の維持
2024年4月から適用された収集ドライバーの労働時間規制に対し、大栄環境グループでは、従業員と派遣社員のドライバーの労働時間を継続して管理しています。あわせて、収集運搬量の増加や事業環境の変化に対応するため、既存の協力会社との連携強化に加え、新たな協力会社との協業や、協力会社の運行管理に対する間接的な支援を行うことで、労働規制時間内における運搬能力の向上に引き続き取り組んでいます。
これらに加え、近年課題となっているドライバー不足への対策として、求人施策を見直しました。通常時間勤務の求人を継続する一方で、時短勤務や曜日指定勤務など、多様な働き方に対応可能な勤務体系を取り入れ、受け入れ態勢を整備することで、人材の確保と定着を図っています。
物流効率化と適正価格の確保による持続可能な輸送体制の構築
運搬費のコスト高騰や環境負荷低減への対応として、大栄環境グループでは、処理先を大栄環境(株)に限らず、グループ全体の施設を有効活用し、お客さまから最も近い処理施設への搬入を可能とする運搬体制を構築しています。運搬距離の短縮は、運搬コストの抑制に加え、GHG排出量の削減にも寄与しており、経費削減と環境負荷低減の両立を図るとともに、収集回転率の向上にもつなげています。
また、運搬部門が一つの独立した事業として持続的に運営できるよう、燃料費をはじめとする各種コストの上昇を踏まえ、営業部門と連携しながら、お客さまのご理解を得つつ、運搬受託費の適正価格への改定を継続して進めています。これにより、物流効率化によるコスト最適化の取り組みとあわせて、安定的かつ持続可能な輸送サービスの提供につなげています。
さらに、こうした効率化の取り組みを基盤として、中長期的な物流網の構築・強化に向け、船舶を活用したモーダルシフトに取り組でいます。さらに2025年11月に大栄環境グループに加わった(株)スカラベサクレは、海上輸送に適した専用バースを備えており、広範囲なエリアからの廃棄物を効率的に受け入れることが可能です。
これらの取り組みにより、陸上輸送への依存を低減し、物流効率の向上とコスト構造の安定化、環境負荷低減を同時に実現することで、持続可能な輸送体制の構築を目指していきます。
人財マネジメント
人財の多様性の確保、及び人財の多様性を活かせる管理職育成、そして女性キャリア形成のための風土づくり等を目指し、職場環境の整備に取り組んでいます。
⼈財マネジメントに関する基本的な考え⽅
従業員が事業に誇りと使命感を持ち、やりがいを感じる土壌をつくることが、大栄環境グループの持続的な成長および企業価値向上につながり、人財の育成にもつながると考えています。従業員が自身と企業の成長に向けて意欲的に取り組める環境づくりを目指します。
人財戦略
大栄環境グループは、企業価値の向上と持続的な成長には、現場で働く一人ひとりの従業員が意欲と誇りを持って仕事に向き合い、能力を最大限に発揮できる環境が不可欠だと考えています。その土台となるのが、「働きがい」と「幸福度」です。
「働きがい」とは、自らの仕事を通じて社会や会社に貢献しているという実感を持ち、成長や挑戦を重ねながら主体的に働けている状態を指します。また、「幸福度」とは、心身の健康や安心できる職場環境のもとで、仕事と私生活のバランスが取れ、総合的な満足感を得られている状態と捉えています。
企業理念に掲げる「創造・改革・挑戦」を実践し、中期経営計画の目標を達成するためには、従業員が日々の業務に意義を見出し、「自分の力が会社や社会の未来につながっている」と感じられることが欠かせません。働きがいと幸福度が高まれば従業員のエンゲージメントも向上し、個人の成長や現場の活力が企業価値の向上へとつながる好循環が生まれます。
こうした考えのもと、大栄環境グループは人財戦略の中核に「従業員エンゲージメントの向上」を位置づけています。その実現に向け、データに基づいた戦略的な人財投資を行い、成長機会の提供、多様な人財が活躍できる環境づくり、安心して働き続けられる社内環境の整備を重点的に進めています。これらの取り組みは互いに連動しながら、従業員一人ひとりの働きがい・幸福度を支え、企業成長と社会への価値提供へとつながっていくと考えています。

人財育成
次世代リーダー層の育成
大栄環境グループでは、「経営ビジョンを実現する人財の育成」を目的に、研修・教育プログラムを継続的に拡充しています。将来の経営層・管理職候補者を対象とした次世代リーダー研修では、能力向上と視座の引き上げを図っており、2026年3月期には111名が参加しました。
また、階層別研修や職種別スキル向上を目的とした教育プログラムを計画的に実施し、従業員一人ひとりが成長を実感しながら専門性を高められるよう支援しています。これらの取り組みは、働き甲斐の源泉となる「成長と挑戦の機会」を広げ、日々の業務の意義や貢献実感につながると考えています。
成長意欲ある従業員への人財投資
学ぶ意識やチャレンジ意欲の高い従業員が、多様なキャリア形成を実現できるよう支援することは、会社としての重要な責務であると考えています。
組織の透明性を高め、公平なキャリア形成機会を提供する仕組みとして社内公募を推進しています。新たに稼働する施設やプロジェクト案件における人財募集も含め、従業員が主体的に挑戦できる場を創出しています。また、研修制度の充実に加え、人事ローテーションで異なる部署での経験を積む機会や、社外の方との交流の場も提供し、従業員が視野を広げながら能力を高められるよう取り組んでいます。
教育研修制度
従業員が企業の成長に向けて意欲的に取り組める組織運営を行うために、教育制度の充実が不可欠です。 主な研修として、行動指針(大栄環境グループビジネス・コンダクト・ガイドライン)やコンプライアンスなどに関する「全社共通研修」のほか、昇格などのタイミングに合わせて実施する「階層別研修」、事業所の枠を超えて職種別に実施する「スキル教育」など、体系的な教育体制を整備しています。近年は「100年企業の基盤づくり」の一環として、次世代の幹部やリーダー層の育成を目的とした「選抜研修」の拡充にも力を入れています。また、業務上で必要となる資格や免許の取得、知識や技能を習得するための社外講習会等の受講を積極的に支援しており、取得支援対象となる資格は約300種に及びます。大栄環境グループでは「創造・改革・挑戦」を実践できる人財の育成を目指して、従業員の成長を支援する教育制度の整備に努めています。
人財育成における最重要課題は、将来のグループを背負って立つリーダー層を計画的に育てることです。
そのため教育制度の整備では特に「選抜研修」の充実化を重視し、外部の教育機関や専門家を活用しながら育成プログラムを進化させていく方針です。また優秀な経営幹部を育てるには多様な事業や部署を経験して幅広い知識やノウハウを培う必要があるため、グループ各社とも連携をとりながら効果的なジョブローテーションを積極的に行っていきます。
多様性(ダイバーシティの推進)
女性の活躍推進
会社の持続的な成長には女性の力が欠かせないと考え、大学生以上の新卒採用において女性を積極的に採用しています。2026年3月期末の女性新卒採用比率(大卒以上)は44.4%であり、2027年3月期以降も女性を積極採用することで継続的に女性新卒採用比率30%以上を目指します。
また、女性管理職の登用も積極的に進めており、2026年3月期末の女性管理職比率は4.5%となっています。2027年3月期の目標は4.6%以上とし、リーダーを目指す女性従業員を増やす施策を実施していきます。一方で、現場で働く女性従業員が少ないことが、女性管理職を増やす上での課題となっています。そこで、女性が活躍している事業所をモデルケースとして全社に広げ、優秀で意欲的な女性従業員の管理職登用やキャリアパスの明確化を検討しています。さらに、育児や介護に配慮した制度を整備し、多様な働き方を支援することで、女性が成長し、活躍できる環境づくりを進めています。
「わたし」からアクション宣⾔
多様な人財の確保(雇用)
大栄環境グループは持続的な企業価値向上を目指し、熱処理施設の処理能力増強や地域循環共生圏構築に伴う施設拡大、地域パートナー企業との連携を推進しています。これらの事業成長を支える基盤として、人財確保を含めた要員計画を策定し、計画的な人員配置を進めています。
施設の増設・新設に伴い、新卒採用だけでなくキャリア採用も積極的に行い、地域に密着した雇用を継続しています。また、有資格者や管理者の確保も重要な課題と認識しており、社内での人財育成と並行し、外部からマネジメント人材や有資格者を採用し、必要な施設への適切に配置しています。
さらに、少子高齢化による人手不足がより顕著となることを見据え、人財の多様性を確保し、持続的な成長を実現するため、女性・シニア活用、障がい者雇用、外国人雇用の促進にも取り組んでいます。シニアの活用については、豊富な知識や技能を持つ定年退職者の再雇用を積極的に推進しており、定年退職者の7割強が再雇用制度を利用して活躍しています。多くのグループ企業で最長70歳までの雇用契約が可能であり、シニア人財の活用を重要な人財施策と位置づけています。
障がい者雇用については、2021年6月に特例子会社としてDINSみらい株式会社」を設立し、障がい者の方が働きやすい環境を整備するとともに、OJT教育を通じた育成を推進しています。また、グループ内で最も多くの障がい者を雇用する京都かんきょう株式会社は、2023年5月に厚生労働省の「もにす認定企業」に認定されました。2025年6月1日現在、グループ全体の障がい者雇用率は法定雇用率2.5%を大きく上回る3.58%となっています。今後も障がい者が能力を発揮できる環境を提供し、社会貢献とグループ全体の成長を目指していきます。
ダイバーシティに関わるサステナビリティデータ
社内環境整備
健康に配慮した経営
従業員の心身の健康は、従業員および従業員家族の幸福につながり、意欲的に働く原動力になると考えています。メンタルヘルスの支援施策、健康診断の追加検診の補助制度、勤続年数10年以上の従業員を対象とした配偶者健康診断補助制度、そして禁煙活動の推進など、従業員が健康に働き続けることができる職場環境の整備に努めています。
2025年3月期からは受動喫煙の防止と従業員の健康促進を目的として、業務車両内での喫煙を禁止し、禁煙希望者への遠隔指導プログラムも提供しています。
2026年3月には、当社と、連結子会社である三重中央開発(株)、DINS関西(株)、(株)共同土木の3社が、経済産業省が制度設計し、日本健康会議が選定を行う「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されました。当社については、2025年に続いて2回目の認定となります。

健康に配慮した経営宣言
ワークライフバランスへの配慮
法令遵守を徹底しながら、従業員が快適に働ける職場環境の実現を目指し、ワークライフバランスの向上に取り組んでいます。具体的には、時間外労働の抑制に向けて定期的な改善指導を実施するとともに、一定の基準を超えた従業員には産業医との面談を必須化しています。
また、2024年3月期と2025年3月期の2年間にわたり、年間休日をそれぞれ5日増加させ、有給休暇の取得促進にも力を入れてきました。2026年4月からは、完全週休2日制と同水準の年間休日取得を可能としています。これらの施策は従業員エンゲージメント向上のみならず、採用活動にも好影響を及ぼすと考えています
有給休暇取得の促進については、取得が進んでいない従業員に対して定期的に管理者が取得を促すマネジメント体制を構築しており、2026年3月末時点で76%である有給休暇取得率を、2027年3月期には90%以上とする目標を掲げています。
仕事と育児の両立
大栄環境グループでは、妊娠、出産、育児などのライフプランに応じた働き方を選択できるよう、仕事との両立を支援する制度を整備しています。「育児休業制度」は子が満1年6か月に達するまで利用可能とし、「育児短時間勤務」は子が12歳に達した後の最初の3月31日まで認めています。また、2026年3月期からは、育児休業中の従業員に対して所属部門の状況を伝える「すこやかレター」を年3回発行し、職場とのつながりを感じられるようにしています。
また、男性従業員の育児参加を促進するため、2025年3月期には有給休暇として「配偶者出産休暇」と「出生時育児休暇」を新設しました。これら制度の活用促進により、男性育児休業取得率は2026年3月末時点では102.9%となりました。男性従業員の育児参加が進むことで、会社への帰属意識やモチベーション向上に加え、家族とのコミュニケーションの活性化にもつながっています。
従業員の配属・配置転換
新入社員の配属先については本人の希望を確認し、可能な限りその意向に沿うように配慮して決定しています。
また、自己申告制度を導入し、毎年、従業員が希望を記入し提出できる機会を設けています。記載された内容を踏まえて、上司や人事部が本人と話し、前向きな要望についてはできる限り反映させ、今後のキャリアプランを描けるようにしています。
エンゲージメントの向上
大栄環境グループでは、従業員の意欲と働きがいを高めることを目的に、従業員アンケートや自己申告制度を実施し、仕事に対する満足度や要望を把握しています。これらの結果をふまえ、働き甲斐のある職場づくりを推進しています。
2025年3月期からはエンゲージメントサーベイを導入し、分析結果をもとに、組織の強みや課題を把握しています。その内容は事業所単位で共有し、従業員の幸福度向上に向けた具体的な施策へとつなげています。また、従業員持株会への加入促進に向けて奨励金の付与率引き上げや譲渡制限付株式の付与を実施し、従業員のエンゲージメント向上に努めています。これらの施策を通じ、従業員と会社が共に成長し続ける企業文化を醸成していきます。
エンゲージメントサーベイを通じた組織基盤の強化
大栄環境グループは、持続的な企業価値の向上と従業員のエンゲージメント向上を経営の最重要課題と位置づけ、定期的にエンゲージメントサーベイを実施しています。2025年の従業員エンゲージメント指数は前年と比較して堅調に推移しました。特に「経営理念の浸透」「コンプライアンス意識」「評価制度への理解」は高い水準を維持しており、管理職層を中心とした風通しの良い組織文化が着実に醸成されていることを確認できました。これは、大栄環境グループがこれまで培ってきた健全な企業風土の証であり、引き続き強化していきます。
一方で、持続的な成長とさらなる組織活性化に向けて3つの課題が明確となりました。
2025年の調査結果で明らかになった課題と今後の改善施策は以下のとおりです。
| 課題 | 改善施策 |
|---|---|
| 1.業務の質と量の最適化 現場を中心とした人財の確保における課題に伴い、一部で業務負荷の偏りが見られた |
1.人財ポートフォリオの最適化とワークエンゲージメントの向上 人財確保策の強化と適正配置を進めることで、業務負荷の最適化を図り、従業員一人ひとりが高いワークエンゲージメントを維持できる環境を整備する |
| 2.コミュニケーションの深化 多忙な環境下でも、上司・チーム内での対話時間の確保が必要 |
2.対話型組織文化の醸成と相互理解の促進 定期的な対話機会の創出や対話プログラムの導入により、上司・部下、チーム間の相互理解を深め、活発な意見交換が行われる組織文化を醸成する |
| 3.成長機会の拡充 教育・育成体系へのさらなる充実や、部門間での成長機会の均一化に対する期待が寄せられた |
3.キャリア形成支援と育成制度の高度化 全従業員が自身のキャリアパスを描けるよう、教育・育成機会の均一化を図るとともに、一人ひとりにマッチするキャリア形成支援を強化する |
大栄環境グループは、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、サーベイを通じた「対話と実行」を推進することで、すべての従業員が最大限に能力を発揮できる職場環境の整備を進めていきます。これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現とグループの成長を実現していきます。
公正な評価と処遇
大栄環境グループは、法令で定められた最低賃金と同一労働同一賃金を遵守して処遇を行っています。処遇の前提となる評価にあたっては、半期ごとに上司が従業員と面談し、仕事の成果だけではなく組織への貢献度をあらゆる面から適正に判断して報酬に反映しています。
男女賃金格差の是正に向けた取り組み
2026年3月期の大栄環境グループの男性の賃金に対する女性の賃金の割合は73.9%です。大栄環境グループでは、個人の成果や貢献度に基づく公平な処遇を行っており、性別や国籍、年齢が賃金に影響することはありません。しかし、ビジネスモデル上、男性の構成比率が高く、事務系以外の職場では管理職の大半を男性で占めていることが、男女間の賃金格差に影響を与えています。この課題を解消するため、女性のキャリアプラン形成を支援するとともに、さらなる活躍の場を提供しています。特に管理職以上の女性の活躍を促進することが、賃金格差の是正につながると考え、積極的な登用を行っています。
従業員向けインセンティブ制度
持続的な企業価値向上を支える報酬制度
大栄環境グループは、持続的な企業価値の向上と、株主の皆様とのより価値共有を目的として、経営幹部および重要な役割を担う管理職を対象に「譲渡制限付株式報酬制度」を導入しています。
本制度は、対象者が自社株式を保有することで、株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、中長期的な視点での経営参画意識を高めることを狙いとしています。さらに、一部の経営幹部には、経営戦略の達成度を反映する「業績連動型譲渡制限付株式報酬」を採用し、業績目標の達成に対するインセンティブを明確化しています。
これらにより、経営陣の規律ある意思決定と成長へのコミットメントを促すとともに、透明性と客観性の高い報酬体系を通じてガバナンスの強化につなげています。
持続的な成長を牽引するための人財基盤と退職年金制度
大栄環境株式会社は、持続的な価値創造の源泉である「人財」が、将来にわたって安心して高いパフォーマンスを発揮できるよう、環境整備を経営の重要課題と位置づけています。その一環として、「確定給付企業年金(DB)」と「確定拠出企業年金(DC)」を併用した退職年金制度を導入しています。
将来の給付水準を保証するDBによる「長期的な生活の安定」と、個人の選択で資産運用が可能なDCによる「自律的な資産形成」を両立させることで金融リテラシーの向上も促しています。こうした制度設計は、優秀な人財の確保・定着に寄与するだけでなく、従業員が将来への不安を軽減し、創造的な業務に専念できる強固な組織基盤の構築につながっています。
オーナーシップを醸成する従業員持株会制度
大栄環境グループは、従業員一人ひとりが経営者視点を持ち、自律的に企業価値向上へ寄与することを期待し、従業員持株会制度を人財戦略の柱の一つとして位置づけています。
現在、従業員の資産形成を強力に後押しし、経営への参画意欲を高めるため、期間限定で積立額の20%を支給する手厚い奨励金制度を導入しています。さらに、2024年3月期には「従業員持株会向け譲渡制限付株式」を付与し、従業員が中長期的な株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有する仕組みを整えました。この施策により、日々の業務と企業価値向上とのつながりに対する意識を高めるとともに、株主の皆様と従業員の利害を一致させ、グループ一体での持続的成長につなげています。
人権の尊重
人権の尊重は、事業活動の基盤です。大栄環境グループは、2024年6月、人権を尊重する姿勢を社内外に明確に示すために、「大栄環境グループ人権方針」を策定しました。
大栄環境グループは経営理念である「われわれは、創造・改革・挑戦の信念をもって、人間生活・産業・自然との共生を目指し、社会に貢献する」ことに努め、取引先、株主、地域社会、従業員など、あらゆるステークホルダーの皆さまと共に、未来を支える社会インフラ企業として人権に配慮し、課題の解決に取り組みます。
大栄環境グループ 人権方針
人権デューデリジェンス
大栄環境グループは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など、国際的な人権規範に則り、⼈権デューデリジェンスの体制構築に取り組んでいます。
事業活動が人権に与える負の影響を特定するため、2024年12月から2025年3月にかけて対処すべき人権課題候補を抽出し、スコアリング評価を通じて重要度の高い項目を絞り込みました。その後、社外役員との意⾒交換、サステナビリティ推進委員会および取締役会での審議を経て、2025年6月に重要な人権課題を特定しました。
これらの特定した重要な人権課題に対し、2025年7月から人権デューデリジェンスの運用を開始しています。予防低減策の立案、実行、結果の検証といったPDCAサイクルにより、実効性ある仕組みとして定着させていきます。
また、ホームページの人権相談窓口を通じて、事業活動において⼈権侵害の影響を受ける、またはその可能性があるステークホルダーを認識した場合は、影響を最小限に抑えるための是正措置を講じるように働きかけています。

重要な人権課題と負の影響の防止・軽減施策
| 人権課題 | 潜在的な人権侵害リスク | 2026年3月期のアクション | |
|---|---|---|---|
| 1 | 地域コミュニティ | 企業活動において環境に悪影響を及ぼし、地域住民の生活や健康を脅かす人権侵害 | 地域住民の生活・健康への影響低減の為、廃棄物処理施設の設備保全と定期的な環境測定を実施。車両の安全運転教育と管理を徹底し、事故や環境負荷を最小化。 |
| 2 | 労働安全衛生 | 企業活動において環境に悪影響を及ぼし、従業員の健康を脅かす人権侵害 | 安全な職場環境を確保するため、設備の適切な維持管理、作業手順や安全保護具に関する徹底した教育を実施。定期的な健康診断と環境測定に加え、運行管理と緊急時対応訓練も徹底。 |
| 従業員が労働災害や職業性疾病によって受ける人権侵害 | 労働災害・職業性疾病を防ぐため、リスクアセスメントに基づき設備の更新や維持管理を徹底。安全教育や現場パトロール、化学物質管理、作業環境測定、時間外労働管理で、従業員の安全と健康を守り人権侵害リスクを軽減。 | ||
| 3 | 労働条件など | 従業員が労働条件によって受ける人権侵害 | 長時間労働や法令違反を早期発見・通知する仕組みを導入し、適正な労働時間管理を実施。最低賃金以上の賃金を確保し、従業員の人権リスクを軽減。 |
| M&A先が従来から抱えている人権侵害 | M&A先の未払い残業や契約問題の解消、ハラスメント研修、リスクアセスメント、安全教育を実施し、従業員の人権侵害リスクを軽減。 | ||
| 4 | ハラスメント | ハラスメントが発生する人権侵害 | ハラスメント防止のため、相談窓口の設置、定期的な研修、規定の周知を徹底。従業員が安心して働ける職場環境を整備。 |
カスタマーハラスメントに関する基本⽅針
大栄環境グループは、経営理念に掲げる「人間生活・産業・自然との共生」を実現する社会をめざし、全ての役職員が地域社会やお客様からの信頼を第一に考え、日々業務に取り組んでいます。
一方で、近年社会問題となっている不当・悪質なクレーム(いわゆるカスタマーハラスメント)は、役職員の尊厳を損ない、職場の就業環境を阻害する深刻な事象であると認識しています。
当社グループは今後もお客様や取引先、施設利用者などからのご意見やご要望には誠実に対応していきますが、同時に役職員一人ひとりの人権と働きやすい職場環境を守るため、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を制定します。今後は本方針に基づき、予防や適切な対応策を講じていきます。
カスタマーハラスメントに対する基本方針
労働安全衛生
安全衛生行動指針と管理体制
「安全衛生理念」を土台に、「安全衛生行動指針」を掲げて、大栄環境グループ全体の安全衛生活動の基本としています。
これらの理念や指針をグループ共通のものとし、毎期、事業所ごとに安全衛生活動計画を立て、事故災害発生件数の低減を目指して活動を展開しています。
安全衛生理念
われわれは、安全衛生を全てに優先させ、目配り・気配り・思いやりを持って事故・災害を起こさない職場を目指します。
安全衛生 行動指針
- ● 従業員と家族のために、安全衛生を優先する
- ● 安全衛生組織の責任と権限を明確にする
- ● 過去の事故・災害の教訓、反省を元に、風化を防止する
- ● 整理・整頓・清掃・清潔・躾を基本とする
- ● 一人ひとりが責任を持ち、一致団結する
- ● 現状を打破し、改善を継続的に行う
- ● 高齢労働者に配慮したやさしい職場を築く
労働安全衛生マネジメント
(2026年3月期)
労働安全衛生マネジメントシステムの対象となっている従業員数(臨時雇用者含む):2,894名
労働安全衛生マネジメントシステムの対象となっている従業員の割合:100%
事故・労働災害およびリスクの低減
大栄環境グループでは、大栄環境(株)の事業本部においてグループ全社の事故・災害の情報を一元管理しています。
事故労働・災害が発生した場合は、直ちに速報を発信して情報を共有するとともに、対策をまとめた報告書を掲示しています。加えて、各事業所で毎月実施する労使合同の安全衛生委員会でも改めて周知しています。グループ全体で実施する安全衛生大会や安全担当者会議では、発生した事故・労働災害の分析データを発表・共有しています。
各事業所ではリスクアセスメントを実施し、現場から声のあがった危険な作業や場所について、本質的・工学的な対策を講じることで、根本的なリスクの低減に取り組んでいます。
また、作業前のKY(危険予知)活動も行い、作業者全員に危険ポイントを周知しています。
軽微な災害が重大災害につながるリスクを常に意識し、グループ一丸となって安全の取り組みを遂行しています。
2026年3月期の実績は、休業4日以上の重大災害が14件、物損を含めた事故災害件数は、147件発生となり、重大災害は前年比で2件増、物損を含めた事故災害件数は10件増となりました。
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 死亡災害 (グループ) |
0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 休業災害 (グループ) |
14 | 19 | 17 | 13 | 16 |
| 不休業災害 (グループ) |
18 | 10 | 14 | 23 | 26 |
| 死亡災害 (協力会社) |
1※ | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 休業災害 (協力会社) |
7 | 16 | 8 | 8 | 10 |
| 不休業災害 (協力会社) |
9 | 7 | 6 | 9 | 8 |
※2022年3月期の死亡災害は、派遣乗務員の追突死亡事故
安全教育・訓練
2026年3月期は事故発生率の高い入社3年未満に加え、入社10年未満への座学教育や重大災害発生状況の再現動画の視聴教育などに注力しました。
グループ全体で、重大災害発生状況の再現動画(8本)はのべ1万人が視聴しました。
教育実施ステップ

教育を行うターゲット

協力会社の安全管理
毎年7月に大栄環境グループ安全大会を開催し、協力会社に対して「安全衛生⾏動指針」を周知しています。収集運搬を業務委託する協力会社については、事故災害件数のカウント対象ではありませんが、間接的に安全活動情報を共有しています。
場内作業で常駐している専属協力会社については、大栄環境グループ従業員や派遣社員と同等にデータの一元管理をしており、安全教育や、日々の危険予知能力の向上および注意喚起についても同様の活動をしています。
安全協議会参加社数:22社
安全協議会参加人数:のべ 211人
協力会社実労働者数:170人
事業所の安全会議参加人数:のべ 278人
車両事故低減、保安防災
大栄環境グループの運輸部門では、3月・8月・12月を除く各月に運搬車両を保有するグループ会社および拠点の管理者が参加する「運輸部安全合同会議」を開催しています。この会議では、事故災害の報告と分析、事故映像やヒヤリハット映像の共有のほか、管理者向けの講義やグループワークを実施し、グループ全体の車両事故低減に取り組んでいます。
また、廃棄物の収集運搬中における廃棄物の飛散・漏洩・火災の発生や車両事故などの緊急事態を想定し、派遣乗務員を含む全乗務員を対象に、緊急事態訓練を毎年実施しています。この訓練により、迅速かつ適切に対応できる体制の強化を図っています。
2026年3月期は、車両運搬部門の事故災害が合計55件発生しました。乗務員や補助員がケガをした負傷災害は1件(2025年3月期は10件)、人のケガを伴わない物損事故・交通事故が54件(2025年3月期は35件)でした。
- 実技教育(車両特性の体験、体感教育)
- 毎年、上期・下期に分けて2種類の実技体験教育を全乗務員対象に実施しています。
2026年3月期は車両運転に関する教育に加え、荷役作業における負傷災害の防止教育を目的とした実技体験教育を新たに導入し、教育内容を充実させまました。- ・上期 「車両特性(高さ)」
- ・下期 「転落、墜落の危険」
- 安全作業教育(負傷災害の再現映像による視聴教育)
- 2026年3月期も同様に、休業4日以上の労働災害の再現動画(8件)を配信し、視聴疑似体験を通じて危険感受性の向上を図りました。
- ヒヤリハット映像教育(ドライブレコーダー映像KYT)
- 月次の安全教育において、自社車両のヒヤリハットや事故の映像に加え、他社車両のヒヤリハットや事故に遭遇した際の映像についても乗務員へ提供を呼びかけ、さまざまな交通映像の収集・活用を進めています。これらのドライブレコーダーの映像を活用し、安全会議において「ミニミニKYT(危険予知訓練)」を実施するなど、実態に即した教育内容の充実と交通事故の抑止に取り組んでいます。
- 【新しい取り組み】負傷災害の実技体験教育の導入
- 貨物運送業における労働災害発生率の第一位は「墜落、転落」で30%超と高く、大栄環境グループ内も同様の傾向がみられます。こうした災害の防止には、危険性と怖さを体験する教育が必要と考え、実技体験教育を導入しました。
実技体験教育では、実際の墜落、転落を乗務員自身が体験することによる負傷リスクをさけるため、運輸部で不要となった資材を活用してダミー人形を製作し、約1mの高さから落下させることで、その衝撃の大きさを体感できる内容としています。
また、運転席の乗降、車両梯子の昇降、コンテナや荷台への昇降の正しい手順と不適切な手順を、実演を交えて解説し、安全行動の定着を図っています。
ステークホルダー・エンゲージメント
大栄環境グループの主なステークホルダー
大栄環境グループは、「お客様」「株主・投資家」「ビジネスパートナー」「行政・業界団体」「地域社会」「従業員」など、多様なステークホルダーの皆さまとの関係を大切にし、その信頼に応えることで、事業を通じた新たな価値を生み出していきます。

| ステークホルダー | 主なエンゲージメント手段 | |
|---|---|---|
| お客さま | 大栄環境グループが提供するサービスをご利用になられる全てのお客さま |
|
| 株主・投資家 | 大栄環境株式会社の株主をはじめとした、個人・機関投資家の皆さま |
|
| 行政・業界団体 | 政策・法令・イニシアティブを所管する国・地方自治体・団体等 |
|
| ビジネスパートナー | 環境・社会・経済の課題解決に向けて協働するパートナー企業をはじめ、サービス提供のために、さまざまな協力をいただいている全て企業 |
|
| 地域社会 | 大栄環境グループの事業に理解・信頼をしていただいている地域の方々や、人々が暮らす社会・自然環境 |
|
| 従業員 | 大栄環境グループで働くすべての従業員とその家族等の皆さま |
|
地域社会との関わり
私たちの事業は、地域の皆さまとのコミュニケーションを通して事業を理解していただき、その信頼の上に成り立っています。地域の皆さまの生活に寄り添い、地域を支えていくことでこれまで以上に信頼を深めていくことができると考え、『オ―プン』『ふれあい』『感謝』を合言葉に、さまざまな取り組みを進めています。
地域コミュニケーション
三重ふれあい感謝祭
地域清掃活動
施設見学
ファミリーマート開設
三重FCくノ一三重とのスポンサー契約
ちびっこ野球大会協賛
地元雇用の推進
地元雇用を積極的に推進し、地域の活性化を目指しています。農事組合法人や和泉リサイクル環境公園では、地元雇用の皆さまに技術や知識の提供といった面でも、ご協力をいただいております。
カスタマーズセミナー
お取引先のお客様を対象にカスタマーズセミナーを不定期で開催しています。排出事業者様の視点に立った多岐にわたるセミナー内容で好評をいただいております。
和泉リサイクル環境公園
大阪府和泉市にある和泉リサイクル環境公園は、元々管理型最終処分場でした。埋立が完了した跡地を自然溢れる憩いの空間として地域にお返ししたいという私たちの想いをかたちにしたものです。公園内の施設にはさまざまなリサイクル品も使用しています。四季折々の花とスポーツを楽しむ公園として年間を通して多くの方々にご来場いただいております。

(第一回最優秀賞作品)







