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下取り回収⑪

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行政書士 尾上 雅典氏
(エース環境法務事務所 代表)

 今回から、具体的な下取り事例を元にして、下取り通知の対象になるかどうかを考えてみましょう。いずれのケースも、事務機器販売店には産業廃棄物収集運搬業の許可がないという前提になります。

ケース1(問題なく下取り通知の対象となるケース)
●キャビネットを納品する際に、事務機器販売店自身が無償で不要品となる古いキャビネットの回収を行う
●事務機器販売店が自らの産業廃棄物を運搬することに該当するため、ユーザーから不要品を回収する際には、マニフェストの交付不要
●ただし、不要品回収の際には、不要品を運搬する事務機器販売店の車両に「産業廃棄物収集運搬車」の表示は必要
●回収した不要品は、事務機器販売店が排出事業者として、委託契約書とマニフェストを運用する

下取り回収⑪画像1

 このようなケースが、下取り通知の想定している下取り行為となります。
 ケース1では「事務機器販売店」を例としましたが、書類キャビネットを製造する事業者自身が商品の納入と廃棄品の回収を行うのであれば、これと同様に下取り通知の対象となります。

ケース2(引き取り手数料を徴収するケース)
●事務機器販売店自身が回収を行う
●ただし、古いキャビネットを回収する場合は、事務手数料として千円を徴収
●事務機器販売店を排出事業者として、マニフェストを発行し、最終ユーザーにはA票のコピーを渡している

下取り回収⑪画像2

 このケースでは、事務手数料とは言いながらも、廃棄物の回収費用をユーザーから徴収しているため、無許可で産業廃棄物収集運搬業の営業をしたことになり、廃棄物処理法第25条の罰則(5年以下の懲役、または1千万円以下の罰金、もしくはこれの併科)の適用対象になります。
 もちろん、このケースは無許可営業であるため、事務機器販売店が不要品の排出事業者として委託契約書とマニフェストを運用することはできません。
 また、このケースでは、事務機器販売店が排出事業者になることはありませんので、必然的に不要品の最終ユーザーがキャビネットの排出事業者になります。そのため、最終ユーザーは、「無許可業者への委託」という廃棄物処理法第25条の罰則(5年以下の懲役、または1千万円以下の罰金、もしくはこれの併科)の適用対象になります。

(2019年07月)

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