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子会社

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行政書士 尾上 雅典氏
(エース環境法務事務所 代表)

 今回は、一問一答形式の質疑がまとめられている「平成5年3月31日付衛産36号通知」の中から一つの疑義解釈を抽出し、2017年の廃棄物処理法改正と関連付けて解説します。

(子会社)
問5 事業者が産業廃棄物を処理する目的で子会社を設立して当該事業者が排出する産業廃棄物を処理する場合、当該子会社は処理業の許可が必要か。

答 子会社が事業者と別の独立した法人格を有するものであれば、子会社が事業者の専属の下請けであっても、他人の排出した産業廃棄物の処理を業として行うのであるから、処理業の許可が必要である。

※解説
 これが、行政側の「許可」に対する基本的な認識であり、廃棄物処理法の重要な基本原則の一つです。すなわち、「他者が発生させた廃棄物を処理する者には、廃棄物処理業の許可が必要」というものです。
 しかしながら、多くの方がご存じのとおり、日本経済団体連合会から規制改革会議に出された要望を契機とし、2017年の廃棄物処理法改正で「第12条の7」という条文が新設され、「二以上の事業者による産業廃棄物処理の特例」として、都道府県知事から認定を受けた事業者群には、この基本原則が適用されないことになりました。

ただし、廃棄物処理法のもっとも重要な基本原則に例外措置を作る以上、それが認められる条件として極めて厳しい制約が課されました。

その厳しい制約とは、「自ら処理をすること」と「認定を受ける企業間の強固な資本関係」の2つです。

 まず、「自ら処理をすること」は、法第12条の7で「産業廃棄物の収集、運搬又は処分を行おうとする」と明示されているため、「自ら運搬」か「自ら処分」のいずれかを行わない限り、認定の対象となりません。そのため、「産業廃棄物の自ら処理は行わないが、保管場所を複数の企業が共同で使用したい(=企業ごとの置き場を定めず、一つの場所を複数の企業で共有)」という場合は認定を受けることができません。

 次の「認定を受ける企業間の強固な資本関係」は、実質的に非常に大きな制約となっています。わかりやすく説明をするために、疑義解釈と同様に、「子会社」が所有する産業廃棄物処理施設で、「親会社」と「子会社」の産業廃棄物を処理する場合を例とします。
 法第12条の7の認定を受けるためには、「親会社」と「子会社」間の資本関係に次のような制約が課されており、認定を受けるためには、下記のいずれかの条件に該当する必要があります。

条件1 「親会社が子会社の100%出資者である(=完全親子関係会社)」
 条件1の場合は、完全親子関係にある企業群であれば、条件2で求められるような「役職員の派遣」や「かつては一つの企業であったが分社化した」という条件を満たす必要はありません。条件1では、親会社が子会社の100%出資者であるかどうかだけが問題となります。

条件2 「親会社が子会社の発行済株式の3分の2以上を保有」
 条件1の場合よりも、親会社から子会社への出資割合が若干引き下げられてはいます。しかし、条件2の場合は、出資割合以外にも下記の2つの条件をすべて満たさないと、認定の対象となりません。
・役員又は職員を他の事業者の業務を執行する役員として派遣していること(通常は、親会社の役職員を子会社の役員として派遣することになります)。
・かつて同一の事業者であって、一体的に廃棄物の適正な処理を行っていたこと(=元々は1つの法人だったところを、2社以上に分社して設立された企業群でなければならない)。
 条件2の場合は、「分社」という歴史的な事実が不可欠となりますので、実質的には非常に大きな参入障壁となっています。

(2018年08月)

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