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建設廃棄物⑱

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行政書士 尾上 雅典氏
(エース環境法務事務所 代表)

廃棄物処理法第21条の3第4項(下請事業者を排出事業者とみなすケース)

 建設工事に伴い生ずる廃棄物について下請負人がその運搬又は処分を他人に委託する場合(当該廃棄物が産業廃棄物であり、かつ、当該下請負人が産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物収集運搬業者若しくは特別管理産業廃棄物処分業者である場合において、元請業者から委託を受けた当該廃棄物の運搬又は処分を他人に委託するときを除く。)には、第6条の2第6項及び第7項、第12条第5項から第7項まで、第12条の2第5項から第7項まで、第12条の3並びに第12条の5の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、第1項の規定にかかわらず、当該下請負人を事業者とみなし、当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす。

 今回は、上記廃棄物処理法第21条の3第4項の「下請負人が産業廃棄物収集運搬業者若しくは産業廃棄物処分業者又は特別管理産業廃棄物収集運搬業者若しくは特別管理産業廃棄物処分業者である場合において、元請業者から委託を受けた当該廃棄物の運搬又は処分を他人に委託するときを除く」について解説します。

環境省はこの除外条件について通知で以下のように説明しています。
平成23年2月4日付 環廃対発第110204005号 環廃産発第110204002号通知  

3 下請負人が行う廃棄物の処理の委託 下請負人が廃棄物の運搬又は処分を他人に委託した場合、法第21条の3第4項により、当該下請負人に委託基準及び管理票を交付する義務等の廃棄物の処理の委託に関する規定が適用されること。
 ただし、当該廃棄物が産業廃棄物であり、かつ、当該下請負人が廃棄物処理業者である場合において、元請業者から委託を受けた当該廃棄物の処理を他人に委託するときは、受託した産業廃棄物の処理の再委託であり、従前どおり、当該元請業者には委託基準等が、当該下請負人には再委託基準等が適用されるものであり、法第21条の3第4項の規定は適用されないこと。

 下請が産業廃棄物処理業の許可を所持している場合に、産業廃棄物処理業者として元請から処理委託を受けた建設廃棄物を、さらに別の産業廃棄物処理業者に下請が委託をすることは再委託に該当するため、下請には廃棄物処理法第21条の3第4項の規定は適用されない(=下請は排出事業者とならない)という趣旨です。
 産業廃棄物処理業者の場合、委託者である排出事業者に断りを入れることなく、勝手に別の産業廃棄物処理業者に産業廃棄物を横流し(再委託)することは、廃棄物処理法で禁止されています。別の業者に再委託をする場合は、事前に排出事業者から書面による承諾を取り付けた上で行う必要があります。これを「産業廃棄物処理業者の再委託基準」と言います。

 今回ご紹介した廃棄物処理法第21条の3第4項の除外規定は、「建設工事の下請事業者」と「産業廃棄物処理業者」の両方の立場を持つ企業が、自社にとって都合の良い立場のみを選択し、廃棄物の不適正処理を行うことを禁止する条文となります。
 具体的な例を挙げると、建設工事の下請であり、なおかつ産業廃棄物処理業者(「例:破砕」の許可業者)として元請A社から破砕の委託を受けていたB社が、元請のA社が倒産したからといって、排出事業者であるA社から同意を受けずに別の処理業者に再委託をしてはいけない、となります。ちなみに、この例の場合、排出事業者であるA社が倒産で消滅してしまっているため、A社の破産管財人から再委託に関する承諾書を取るしかなさそうです。

(2021年3月)

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