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下取り回収⑦

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行政書士 尾上 雅典氏
(エース環境法務事務所 代表)

 今号では、下取り回収を可能とする第5の条件「無償で引き取り」の詳細を検討します。

平成12年9月29日付 衛産79号
①新しい製品を販売する際に②商慣習として③同種の製品で④使用済みのものを⑤無償で引き取り、⑥収集運搬する下取り行為については、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要であること。

⑤無償で引き取り
 これは非常に重要な要件です。廃棄物処理法第14条で「産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」と定められている以上、運搬費あるいは回収手数料を徴収して、他者の廃棄物を持ち帰る行為は、産業廃棄物収集運搬業に該当しますので、業許可不要という特例の対象になりたい場合は、必ず無償で引き取るようにしないといけません。(注:これは「下取り行為」に限定した説明であり、形式的に無償を装えば、産業廃棄物収集運搬業の許可を持たずに廃棄物を運搬できるという意味ではありません。)
 さて、実務においては、この「無償で引き取り」という通知の条件を誤解、あるいは無視している事例が非常に多く見受けられますので、不適切事例をいくつか紹介しておきます。

不適正事例1
 堂々と(?)自社HPで、「商品購入者の場合は、○千円で不要品を回収します」と告知している。
 回収費用を徴収し、他者の廃棄物を引き受けていることになりますので、こうした行為を行う場合は、廃棄物処理業の許可が必要です。では、販売事業者が業許可を簡単に取得できるかという問題ですが、たとえば回収物が木製家具の場合、産業廃棄物の「木くず」には該当しませんので、それを回収する事業者には、廃棄物発生場所の市町村長から個別に一般廃棄物処理業許可を取得する必要がありますが、現実問題として、一般廃棄物処理業の許可をすべての市町村から取得することは不可能です。

不適切事例2
 販売事業者が製品販売時に不要品を持ち帰らず、ユーザーに宅配便等で不要品を送らせている。
 このような方法は便利と言えば便利かもしれませんが、製品販売のタイミングとは無関係に廃棄物回収をしていることになり、また販売事業者自らが回収しているわけではないため、下取回収通知の対象にはなりません。

不適切事例3
 販売事業者が不要品を無償回収する代わりに、「専用回収BOX」と称した箱を事前にユーザーに買わせている。
 販売事業者の費用負担で回収を行っているようにも見えますが、事前に専用回収BOXをユーザーに買わせている以上、ユーザーから運送費を徴収している状態と同視できます。
 合法的にこのような下取回収スキームを実行したい場合は、環境大臣から広域認定を取得する方法がありますが、広域認定には広域認定特有のリサイクルロジックがありますので、すべての不要品回収が広域認定の対象となるわけではないことに注意が必要です。

(2019年03月)

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