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総合判断説その6

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BUN 環境課題研修事務所
長岡文明 氏

このシリーズは、廃棄物処理法の世界において、どっちつかずのあやふやにされたままにされている事柄について、BUNさんが「あぁでもない。こうでもない。」と自説を呟くというものです。
 一応、「定説」とされているレベルの箇所には<定説>と明示し、BUNさんの独りよがりと思われるようなところには<自説>、さらに根拠が薄いなぁというようなところには<妄説>と明示して話を進めていきます。
 読者の皆さんも、<定説>部分は信じてもかまいませんが、<妄説>の箇所は盲信することなく、眉に唾を付けて読んで下さいね。

<極めて妄説>
 さて、ここまで、総合判断説について述べてきました。そして、この最初に述べたのが【総合判断説】5項目+1の比重でしたね。
 総合判断説における6項目の重みについて、BUNさんは「同じではない」「均等ではない」のではないかと感じています。バックナンバーを見ていただければいいのですが、メルマガのいいところは字数制限が無いってことなので、再掲させていただきます。
 「物の性状」     40点
 「排出の状況」    5点
 「通常の取扱い形態」 5点
 「取引価値の有無」  40点
 「占有者の意思」   5点
 「その他」      5点
 以上、100点満点として50点を超えるようなら、廃棄物該当性が極めて高くなる、という感じで捉えています。(仮称「BUN式点数加算法」)
 この配点の趣旨を、前回まで縷々述べさせていただいた訳です。
 それでは、具体的に「物」に当てはめて見ましょう。
 以前にも例に挙げましたが、まず、薬局の商品棚に陳列されている「農薬」について採点してみましょう。
 「物の性状」     農薬は有害性がありますから満点の     40/40点
 「排出の状況」    需要に合わせて販売している訳なので    0/5点
 「通常の取扱い形態」 一般的に販売されている訳なので      0/5点
 「取引価値の有無」  金銭で売買されているので         0/40点
 「占有者の意思」   渡し側、受け手側ともに有価物という認識  0/5点
 「その他」      特段考慮すべき事項無し          0/5点
合計点 40点<50点、よって、廃棄物性は無い(薄い)となります。

では、この農薬を購入した家庭菜園をやっている人が、使用後、余ってしまって、数年間取っておいたが、家庭菜園をやめてしまったとしましょう。わかりやすいように、極端にしますね。
 開封され、数年経過したために、粉状だったものが、ベタベタしてしまった。そのため、引き取り手もない農薬。これについて 採点してみましょう。
 「物の性状」     農薬は有害性がありますから満点の   40/40点
 「排出の状況」    引き取り手がない。需要がない。    5/5点
 「通常の取扱い形態」 販売されているような状態ではない   5/5点
 「取引価値の有無」  金銭で売買さるような状態ではない   40/40点
 「占有者の意思」   所有者も処分したいという認識     5/5点
 「その他」      特段考慮すべき事項無し        0/5点
 合計点 95点>50点、よって、廃棄物性は極めて大きいとなります。

 では、小屋を解体して出てきた「解体木くず」を、そのまま敷地に山積みにしている状態を採点してみましょう。もう、数週間そのような状態にあり、近所から苦情が出ているが、行為者は「これは薪(たきぎ)であり、自分の薪ストーブの燃料だ」と主張している状態の「解体木くず」です。

総合判断説その6画像1

1.「物の性状」 薪であるなら、薪としての性状が求められる。通常、薪は太さが3~5センチ程度。長さは30~50センチ、釘などは刺さっておらず、乾燥している、といったことが「物の性状」として求められるだろう。
 しかし、解体直後の「解体木くず」は、「たきぎ」としては、長すぎ、太すぎる。湿気っている。釘が刺さっている。 40/40点
 2.「排出の状況」  家屋の解体に伴って排出される状況であり、たきぎの需要に応じたものではない。 5/5点
 3.「通常の取扱い形態」 解体直後の木くずは、廃棄物として取り扱われている例がほとんどであり、実際にこの状態で他の第三者により広く売買がなされている状況になる  5/ 5点
 4.「取引価値の有無」 解体直後の状態で、買い取られる状況ではなく、処理料金を支払って、持って行ってもらっている。 40/40点
 5.「占有者の意思」 占有者の表だっての主張としては、「お宝」と主張している。真実は不明であるが、この点については、廃棄物性は小さいと判断される。 0/5点
 6.「その他」 主張している当事者自身すら「たきぎ」として使用、活用している状況にない。 5/5点
 合計点 95点>50点、よって、廃棄物性は極めて大きいとなります。

まぁ、今回はわかりやすいように、極端な事例で採点してみましたが、皆さんの周りにあるような事例でも、おそらくそんなに迷うことなく採点ができるのではないかと思います。
 今回合わせて紹介するのは、広島県の岡田さんが作成した「総合判断説比較検討表」です。これは、行政処分指針の表現と、同じ時期に発出された建設汚泥の判断通知を対比したものです。
 行政処分指針の表現は、世の中のたいていのものに適用出来るようにと、抽象的な表現になっているところもあります。そこで、それではたとえば建設汚泥のリサイクル品について、これを当てはめて見たらどうなるか、ということで一覧表にしたものです。
 皆さんの周りにある「有価物か?廃棄物か?」紛らわしい物があったら、この比較表で整理してみて下さい。
 「総合判断説なんて判断する人物で結論が変わってしまうじゃないか」と思われている皆さん、一度、この表に挑戦してみて下さい。その際、一人でやるのではなく、自分と廃棄物処理法をある程度知っている別の担当者、そして暇にしているような課長補佐あたりをつかまえて3人でやってみてください。社会常識を持っている3人であれば、不思議と結果は同じになるものです。
 これで、「あぁ、やっぱりこの物は廃棄物として処理しなくちゃなんないね」とか「これは有価物として十分通用するね」とか、なると思いますよ。
 6回に亘って掲載した「総合判断説」も一応、今回で終了となります。次回は別のテーマでお送りする予定です。

「総合判断説」その6のまとめ
<定説>
 「有価物か?廃棄物か?」紛らわしい物があったら、総合判断説で判断。
<自説>
 総合判断説は客観性が無く、判断する人により結論が変わってくる。そこで、「BUN式点数加算法」を提案。
<妄説>
 これで総合判断説はこわくない。使いこなせるぜ(^_^)b

総合判断説その6画像2

(2020年1月)

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