このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
昨年度入社の2年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「特別管理産業廃棄物排出事業者の帳簿」の話でしたね。今回はどんな話ですか?
昨年度入社の2年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「特別管理産業廃棄物排出事業者の帳簿」の話でしたね。今回はどんな話ですか?
今回は、それ以外で廃棄物処理法で規定している「帳簿」について見ていこうか。
「それ以外」と言うと?
処理業者さんは、前回の準用条文で紹介したとおりに義務づけがあるし、普通の産業廃棄物排出事業者としても次の規定がある。
法律(事業者の処理)
第十二条
13 第七条第十五項及び第十六項の規定は、その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者で政令で定めるものについて準用する。この場合において、同条第十五項中「一般廃棄物の」とあるのは、「その産業廃棄物の」と読み替えるものとする。
法律(事業者の処理)
第十二条
13 第七条第十五項及び第十六項の規定は、その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者で政令で定めるものについて準用する。この場合において、同条第十五項中「一般廃棄物の」とあるのは、「その産業廃棄物の」と読み替えるものとする。
ちょっと待って。前回は「排出事業者で帳簿の規定があるのは特管産廃排出事業者だけ」って説明していたでしょ。これは「普通の」産業廃棄物の排出事業者にも同じように帳簿備付の義務があるってことになるんじゃないの?
まぁ、「特殊な状況にある排出事業者は」ということなので、ことばのアヤとして大目に見てよ。それが、「産業廃棄物を生ずる事業者で政令で定めるもの」という次の条文なんだ。
政令(帳簿を備えることを要する事業者)
第六条の四 法第十二条第十三項に規定する政令で定める事業者は、次に掲げる事業者とする。
一 その事業活動に伴つて生ずる産業廃棄物を処理するために産業廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設以外の産業廃棄物の焼却施設が設置されている事業場を設置している事業者
二 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分又は再生を行う事業者(前号に掲げる者を除く。)
三 法第十二条の七第一項の認定を受けた者(前二号に掲げる者を除く。)
政令(帳簿を備えることを要する事業者)
第六条の四 法第十二条第十三項に規定する政令で定める事業者は、次に掲げる事業者とする。
一 その事業活動に伴つて生ずる産業廃棄物を処理するために産業廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設以外の産業廃棄物の焼却施設が設置されている事業場を設置している事業者
二 その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分又は再生を行う事業者(前号に掲げる者を除く。)
三 法第十二条の七第一項の認定を受けた者(前二号に掲げる者を除く。)
条文を見せられても直ぐにはわからないわ。BUNさん流で簡潔に教えて下さい。
一は、15条(設置許可対象)の処理施設設置者と設置許可の対象ではない(いわゆる「極めて小規模」の)焼却炉の設置者。
二は、第5回の「保管届出」で取り上げた、建設系産業廃棄物の事業場外保管。
三は「親子認定」だね。
二は、第5回の「保管届出」で取り上げた、建設系産業廃棄物の事業場外保管。
三は「親子認定」だね。
二は排出場所、具体的には建設現場から持ち出して、300平方メートル以上の場所に保管する時でしたね。三は?
平成29年の改正で出来た制度だけど、現時点でもほとんど活用されていない規定なので、詳細はまた別の機会ってことにしておきましょう。
と言うことは、排出事業者で法令上「帳簿」を備え付けておかなければならないのは、特管産廃排出事業者で自社処理をしている事業者、要許可処理施設の事業者、焼却炉の設置事業者、場外保管届出をしている事業者、親子会社認定を受けている事業者ってなる訳ですね。
そうなるね。
前回もちょっとだけ話題になったけど、帳簿の記載事項って、マニフェストと重複しないですか?マニフェストとの兼ね合いはどうなっているんですか?
処理施設設置者や場外保管届出の事業者の帳簿も「自社処理」に限定した項目になっているので、マニフェストは存在しない。
たしかに。マニフェストって「委託処理」の時に交付する規定ですものね。ちなみに、処理業者さんの帳簿はどうなんですか?
処理業者の備付帳簿には、「運搬委託」「処分委託」もあります。また、業者の「運搬」「処分」というのは排出事業者からの「受託」であることから、これはマニフェストが付帯します。
と、なると、処理業者の帳簿はマニフェストの規定と重複しますよね?「二重規制」になっているんじゃないですか?マニフェストを保管しておけば、帳簿は要らないって運用なんですか?昨今は電子マニフェストも普及してきているわけだし、合理化するべきよ。
アイさんのように考えて早とちりして実行しちゃった人が20年も前にいたようだね。実はこんな通知が出ているんだ。この通知、今回のテーマでは注目するべき運用なのでちょっと長いけど該当する箇所を紹介しておくね。
電子マニフェストを利用した場合の帳簿作成等について
平成一九年一二月一九日 事務連絡
各都道府県・政令市産業廃棄物行政担当課宛
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
(前略)
さて、近頃、「電子マニフェストを使用した場合には帳簿の備え付け、記載及び保存義務が免除されている」との誤った解釈の問い合わせが寄せられてきていますが、電子マニフェストを利用した場合も産業廃棄物に係る帳簿の備え付け、記載及び保存義務については従来どおり法の規定の適用があります。
ただし、産業廃棄物に係る帳簿の備え付け、記載及び保存方法については、下記2のとおり、電子マニフェストを使用した場合は受渡確認票又はデータのダウンロードにより、また、紙マニフェストを使用した場合は当該紙マニフェストにより、帳簿に代えることも可能ですので、下記1の法の規定とあわせて、必要に応じ関係各位に周知等御配意願います。
(後略)
電子マニフェストを利用した場合の帳簿作成等について
平成一九年一二月一九日 事務連絡
各都道府県・政令市産業廃棄物行政担当課宛
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課
(前略)
さて、近頃、「電子マニフェストを使用した場合には帳簿の備え付け、記載及び保存義務が免除されている」との誤った解釈の問い合わせが寄せられてきていますが、電子マニフェストを利用した場合も産業廃棄物に係る帳簿の備え付け、記載及び保存義務については従来どおり法の規定の適用があります。
ただし、産業廃棄物に係る帳簿の備え付け、記載及び保存方法については、下記2のとおり、電子マニフェストを使用した場合は受渡確認票又はデータのダウンロードにより、また、紙マニフェストを使用した場合は当該紙マニフェストにより、帳簿に代えることも可能ですので、下記1の法の規定とあわせて、必要に応じ関係各位に周知等御配意願います。
(後略)
なんだ。結局、「代用可能」ってことね。
「紙」ならね。電マニはプリントアウトして綴っておけば「代用可能」。さらに、「環境省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則」、長いので「電磁的記録法省令」とでもしておきましょうか、この省令のルールに則った方法なら「紙」の帳簿でなくともOKのようだね。
なんだか、頭が混乱してきました。廃棄物処理法に規定する「帳簿」について整理してください。
そうだね。じゃ、折角だから時系列的に整理してみようか。
全量委託の特管産廃排出事業者では、帳簿記載事項がマニフェスト記載事項に網羅されており、そのため、「委託処理」を削除したもの。
なお、法律第12条の2第14項の改正がなされていないことから、全量委託の特管産廃排出事業者では、「法定記載事項が存在しない」帳簿を「備え付けておかなければならない」という矛盾多き制度となっている。
- 昭和45年、廃棄物処理法スタート 処理業、施設、排出事業者全て帳簿規定無し
- 昭和52年、処理業、「事業者」として、限定された施設と「有害物」排出者に義務化。
- 平成3年(施行は平成4年) 特管物制度スタート。特管物マニフェスト制度導入。
特別管理産業廃棄物排出事業者の帳簿を別条で規定
現在、普通産廃については第12条第13項、省令第8条の5
特管産廃は第12条の2第14項、省令第8条の18
ここで、「事業者」帳簿としては、「処理施設設置者」だけの義務となる。
なお、特管産廃のマニフェスト制度導入は、施行が平成5年4月。 - 平成5年 マニフェスト制度導入(特管産廃のみ義務)
- 平成10年 電子マニフェスト導入、マニフェストは普通産廃も義務化。
この頃から、帳簿とマニフェストについて「二重規制ではないか」との意見が出始める。 - 平成16年 電磁的記録法令(略称)により、電磁的記録も一定の要件で「帳簿」等の「文書」代替可となる。
- 平成19年 事務連絡、電磁的記録も、要件に合えば備付帳簿として可となる旨通知。
この通知で、紙マニフェストも要件に合えば備付帳簿として可となる旨通知。
電マニそのものでは帳簿としては不可。 - 平成22年 政省令改正。帳簿備付義務者を「場外保管」と「小規模焼却炉」まで拡大。 帳簿記載事項「委託処理」を削除し、「自社処理のみ」記載項目となる。
全量委託の特管産廃排出事業者では、帳簿記載事項がマニフェスト記載事項に網羅されており、そのため、「委託処理」を削除したもの。
なお、法律第12条の2第14項の改正がなされていないことから、全量委託の特管産廃排出事業者では、「法定記載事項が存在しない」帳簿を「備え付けておかなければならない」という矛盾多き制度となっている。
ふぅ~、なんか廃棄物処理法を40年位復習したみたい。改めて、簡潔に「排出事業者の帳簿」についてまとめてください。
今回の「まとめ」
1.単なる「普通の産業廃棄物排出事業者」には、法令上は帳簿の備付は規定されていません。
2.「建設系の場外保管」と「焼却炉設置者」で「自社処理」をやっている人は帳簿の規定があります。
3.特管産廃排出事業者で「自社処理」をやっている人は帳簿の規定があります。
こんなところかな。
1.単なる「普通の産業廃棄物排出事業者」には、法令上は帳簿の備付は規定されていません。
2.「建設系の場外保管」と「焼却炉設置者」で「自社処理」をやっている人は帳簿の規定があります。
3.特管産廃排出事業者で「自社処理」をやっている人は帳簿の規定があります。
こんなところかな。
法令上は帳簿の義務は無いとしても、現状や過去の実績を把握しておくことが大切ですよね。マニフェストでは記録に残らない事項もあると思いますので、皆さんも日ごろの維持管理なんかは帳簿に記載しておくことをオススメしておきます。じゃ、次回は排出事業者の責務の続きです。
女子サッカーチーム、アイナックの応援もよろしくね。今年の4月でクラブ創設25周年を迎えたよ!そんな節目の年に、4シーズンぶりにリーグ優勝を果たしました!これからも一緒に応援していきましょう!!(夏久愛)
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(2026年05月)


