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その12「委託基準2」

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BUN 環境課題研修事務所
長岡文明 氏

このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
一昨年度入社の3年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回からは、「委託基準」の話でしたね。今回はどんな話ですか?
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今回は「委託基準」の続き。
はい、では、お願いします。
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まず、「委託基準」っていうことなので、これは「委託」する側、すなわち「排出事業者」の基準なんだ。
じゃ、ちなみに「受託基準」ってあるの?
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「受託者」すなわち、通常なら「許可業者」側のことになるんだけど、これは「許可基準」や「処理基準」が関わってくるので、「受託基準」は「委託基準」のように明確に一塊に規定しているわけじゃ無いね。
だから、受託側と委託側が適用になる事項は違うんだよ。
へぇぇ、たとえば?
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委託契約書なんかはそうだよね。世の中の人の多くは委託契約書は排出事業者も受け手の処理業者も締結しなくちゃいけないと思っているけど、廃棄物処理法上は委託契約書が義務なのは排出事業者だけなんだ。許可業者さん側には無いんだよ。
えぇぇっ、それって不公平じゃ無いですかぁ。どうしてそんなルールにしているんでしょうか?
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だいぶ昔になるけど、霞が関のお友達に飲んだ席で聞いてみたんだ。そしたらね、「BUNちゃん、ちょっと考えてみろよ。契約というのは誰と誰が結ぶんだ?一人で完結する事柄の時、契約ってやるか。」って言うんだ。
それは必要ないわね。自分一人で完結するんだったら契約なんて不要だわ。結ぶ相手も居ないわけだし。
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そうなんだ。彼は、「そうだろ。契約は甲と乙が居るから必要になる。なら、甲に契約の義務を規定しておけば、乙には規定していなくとも契約を結ぶことになるだろ。」って言ったよ。
なるほどね。でも、甲乙共に規定していても悪い話ではないし、受け手側の乙にだけ規定していてもいい話よね。どうして、排出事業者側の「甲」だけに義務を掛けたのかしら。
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これはBUNさんの推測だけど次のように考えているよ。受け手側の処理業者は、少なくとも許可の範囲では適正に処理する能力はあるはず。
そうね。「適確に遂行出来る能力」があるからこそ許可を受けているはずだし。
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だから、受け手側にとっては排出者がどのような「人物」であるかは、大きな問題では無い。委託される「物」がどのような物であるか、自分の許可の範疇の「物」かが重要なんだ。それに、受け手の処理業者側では、「その物の真の排出者か」を知ることは事実上不可能と言ってもいい。そのため、排出事業者側は委託する先は「許可業者」であることは求められるけれど、受け手側の許可業者は委託者は「真の排出者」であることは求められていない。求めることは困難。
なるほど。それで委託契約締結の義務は排出事業者にとっては法律で規定されているけど、受け手側の業者には規定されていないってことか。
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もう一つ理由があるかなぁと思っていて、現実には排出事業者が誰か特定出来ない廃棄物というのも存在しているから、「排出事業者で無い人物からの廃棄物は受託してはならない」とは規定しにくいんだと思う。
ん?今の話、判らないわ。具体的にどういったこと?
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たとえば、不法投棄がされてしまった。それを見つけた大金持ちが、「みっともないから、私が金を出すから片付けさせろ」と言ったとする。この大金持ちは「排出事業者」ではないけれど、廃棄物の処理を委託する行為は別に禁じられているわけでは無いし、この大金持ちの委託を受けて実際に処理する人物は許可を持っているなら特段法令違反では無いでしょ。
はっはー、そんなレアケースもあるかぁ。
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この「産業廃棄物の委託契約の義務は排出事業者だけにあり、受け手側の許可業者には規定されていない」は、他にも「なるほど、こういうケースにも適用出来るように作ってあるのか」と感心する規定もあるので頭の片隅に入れててね。
了解しました。じゃ、委託基準として「知りたい」って人も多い「委託契約書」の話に入ってくれますか。
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まず、復習、確認しておこう。産業廃棄物委託契約書が規定されているのは?
(おっと、逆にこちらに火の粉が飛んできた。ペラペラ、法令集をめくる音)。これですか。
政令(事業者の産業廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)
第六条の二 法第十二条第六項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
四 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。

この「次に掲げる事項」がイロハニホヘの6つあるわね。
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そう。でも、その「ヘ」には「その他環境省令で定める事項」ってあるでしょ。
面倒くさいわね。一発でまとめて規定しておいて欲しいわ。(ペラペラ、法令集をめくる音)。これですか。
省令(委託契約書に含まれるべき事項)
第八条の四の二 令第六条の二第四号ヘ(令第六条の十二第四号の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。

この「次のとおりとする」として、1号~9号まであるわ。と言うことは、政令でイロハニホの5つ、そして「へ」を受けた省令で9つ。全部で14の事項が政省令で規定されているってなりますね。
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そのとおり。産業廃棄物委託契約書法定項目を列挙すると次のようになる。条文では詳細に長い文章もあるので簡略形でご紹介するよ。
①産業廃棄物の種類、量、②委託契約有効期間、③受託者支払金額、④業許可事業範囲、⑤適正処理のための必要な情報提供、⑥⑤の提供情報の変更があった場合の当該情報の伝達方、⑦業務終了時の報告、⑧契約解除時の未処理産業廃棄物の扱い、⑨運搬の最終目的所在地(運搬の場合)、⑩運搬委託で受託者が積替え又は保管を行う場合、⑪⑩において他の産業廃棄物との混合の許諾、⑫処分又は再生委託の場合、⑬処理後に残渣が発生する場合は、最終処分関連条項、⑭輸入廃棄物を扱うときはその情報
これは条文の並びは入れ替えていて、①~⑧までは収集運搬・処分ともに共通項目、⑨~⑪は収集運搬特有項目、⑫⑬は処分特有項目、⑭は輸入廃棄物特有項目です。
一つ一つ見ると、我が社の委託契約書にも盛り込まれている項目です。まっ、あたりまえか。「法定項目」なんですものね。これが抜け落ちていれば法令違反ですよね。あれ?うちの契約書にはあるのに、この14項目に入っていないものもあるわ。
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それはあるでしょうね。この14項目はあくまでも、廃棄物処理法で規定している、いわば、廃棄物処理法を遵守するための必要最低事項と考えていいと思う。したがって、他の分野、普通の契約書に通常盛り込まれているような当事者である「甲乙間の取り決め事項」も入っている契約書も多いと思いますよ。「甲乙の責任範囲」とか「義務の譲渡」とか「疑義時の協議」とかね。
でも、うちの契約書には「甲の事業所」、つまり「排出場所の所在地」という項目は入っているのに、法定項目に入っていないわ。この項目って廃棄物処理という点では重要なことなんじゃ無いの?
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そうだね。でも、この項目は生産系、すなわち製造工場などでは問題ないけれども、建設系廃棄物については契約書に盛り込むのは課題がある。と言うのは、工場は「動かない」けど、建設現場は移動、変わっていくでしょ。
そうねぇ。解体工事は、その建物の解体が終了すれば次の現場に移っていくわね。
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となると、この「排出場所の所在地」を契約書の法定項目にしちゃうと、建設現場が変わる度に契約の結び直し、または、変更契約をしなくてはならなくなる。
契約書は通常は年度毎とか自動更新条項を入れているケースでは何年に1回しか結び直しはしないですからね。
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そこで、「排出場所の所在地」は契約書の法定項目にはしていないんだと推察しているよ。
でも、それって「適正処理」の観点からは入れていた方がいいんじゃないの?
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その点は担保している。と言うのは、「排出場所の所在地」はマニフェストの項目にはなっているんだ。
そうか、マニフェストは排出の度に交付しなければならないから、その時の「排出場所の所在地」を記載するのは問題ないわね。
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ただ、契約書にも「排出場所の所在地」を記載出来るんだったら記載しておいた方がいいと思うよ。
その理由は?
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排出場所では必ず「積込み」をやるはずで、その場所で収集運搬業の許可が必要になる。委託する処理業者の保有すべき許可の根拠となる。また、記載していないと、どこから出た廃棄物か追跡できないので、不法投棄等のトラブルに巻き込まれたときに困る。と言った点からかな。
なるほど。法定項目ではないけれども記載しておいた方がいいってことね。じゃ、建設系廃棄物の場合はどのように記載しておいたらいいかしら。
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法定項目では無いから削除しても差し支えは無い。でも、排出場所が変われば収集運搬にかかる経費も違ってくると言うこともあるので、ざくっと「大阪府内」とか「神戸市内一円」とかいう記載でもいいでしょうね。契約の当事者である「甲乙」が納得出来る表現であれば問題ないと思いますよ。
産業廃棄物委託契約書の具体的な項目の解説には入っていないんだけど、今回はここまでにしましょうか。じゃ、センセ。今回のまとめをお願いします。
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今回のまとめ。
1.「委託基準」は排出事業者側の規定。受け手側の業者の規定では無い。
2.「受託基準」は「処理業許可を取得している」等であるが、「許可基準」「処理基準」として規定されているものが多い。
3.「委託基準」の1つとして「委託契約書の締結」がある。
4.「委託契約書の締結」は「委託基準」なので排出事業者の義務。受け手側の業者に「委託契約書締結」の義務は規定されていない。
5.許可業者は許可の範囲内なら、排出事業者からの委託で無くとも受託しても法令違反では無い。
6.産業廃棄物委託契約書は法定事項が政省令で14項目規定されている。
7.6.以外の項目も契約当事者(甲乙)の了解により追加することは自由。
8.「排出場所の所在地」は法定項目ではない。当事者間で納得した記載をすればよいし、無くてもよい。
こんなところかな。
今までなんの疑問も持たずにやっていたことが、だいぶ整理出来た感じです。次回もよろしくお願いいたします。
皆さんも予習、復習とともにアイナックの応援もよろしくね。
リーグ2連覇、カップ戦優勝、アジア制覇に向け、厳しい練習が始まります。昨シーズンの成績を超えられるよう、選手たちも頑張っているので熱い声援を一緒に送りましょう!!
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(2026年07月)

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