このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
昨年度入社の2年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回までは、「排出事業者の排出事業所での保管基準」の話でしたね。これで「保管基準」の話は終わりなんじゃないですか?
昨年度入社の2年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回までは、「排出事業者の排出事業所での保管基準」の話でしたね。これで「保管基準」の話は終わりなんじゃないですか?
普通の産業廃棄物については前回で確認済みなんだけど、特別管理産業廃棄物の「排出事業者の排出事業所での保管基準」は別に規定しているんだ。
まだあるの?いい加減にして欲しいわ。
まぁまぁ、そう言わずに。多くの規定は普通産廃の規定と同じだから、ちょっとお付き合いして。
前々回、普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の「まとめ」として、次の8つの事項を書いておきました。
1.「排出事業者が排出事業場で守るべき産業廃棄物保管基準」は「収集運搬基準」、「処分基準」とは別個に規定されています。
2.ハード面とソフト面で規定されています。
3.ハード面としては、「囲い」「底面」の構造や「掲示板」等があります。
4.ソフト面としては「積み上げ勾配」等が決められています。
5.「保管基準」違反に直罰(刑事罰)は規定されていませんが、改善命令に繋がります。
6.「保管基準」に数値規制はありませんが、別の法令により制限を受ける場合があります。
7.廃棄物処理のたいていの場合に適用になる「飛散、流出、悪臭、地下浸透、鼠や害虫の害を出してはならない」、といういわゆる「共通基準」があります。
8.「排出事業者が排出事業場で守るべき産業廃棄物保管基準」では「保管量上限」は規定されていません。
これらは全て特別管理産業廃棄物でも同じように規定されています。
前々回、普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の「まとめ」として、次の8つの事項を書いておきました。
1.「排出事業者が排出事業場で守るべき産業廃棄物保管基準」は「収集運搬基準」、「処分基準」とは別個に規定されています。
2.ハード面とソフト面で規定されています。
3.ハード面としては、「囲い」「底面」の構造や「掲示板」等があります。
4.ソフト面としては「積み上げ勾配」等が決められています。
5.「保管基準」違反に直罰(刑事罰)は規定されていませんが、改善命令に繋がります。
6.「保管基準」に数値規制はありませんが、別の法令により制限を受ける場合があります。
7.廃棄物処理のたいていの場合に適用になる「飛散、流出、悪臭、地下浸透、鼠や害虫の害を出してはならない」、といういわゆる「共通基準」があります。
8.「排出事業者が排出事業場で守るべき産業廃棄物保管基準」では「保管量上限」は規定されていません。
これらは全て特別管理産業廃棄物でも同じように規定されています。
なんだ。それじゃ、わざわざ今回取り上げることもなかったのでは?
なので、今回は普通産廃には無い、特管産廃特有の規定を見ていくことにしましょう。
それなら付き合ってあげてもいいわよ。
(<心の声>、教わっている立場で言う言葉かよ(`o´))
省令(特別管理産業廃棄物保管基準)
第八条の十三 法第十二条の二第二項の規定による特別管理産業廃棄物保管基準は、次のとおりとする。
(第1号~第3号までは普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の基準と同様なので省略)
四 特別管理産業廃棄物に他の物が混入するおそれのないように仕切りを設けること等必要な措置を講ずること。ただし、第八条の六各号に掲げる場合は、この限りでない。
省令(特別管理産業廃棄物保管基準)
第八条の十三 法第十二条の二第二項の規定による特別管理産業廃棄物保管基準は、次のとおりとする。
(第1号~第3号までは普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の基準と同様なので省略)
四 特別管理産業廃棄物に他の物が混入するおそれのないように仕切りを設けること等必要な措置を講ずること。ただし、第八条の六各号に掲げる場合は、この限りでない。
普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の保管基準では、「仕切りを設ける」ってなかったですね。
そうだね。だから、産廃の種類が違う「金属くず」と「ガラスくず」や「廃プラスチック類」を同じストックヤードに混在して保管していても違反では無い。もっとも、最近ではリサイクルが進んできたから、極力、種類毎に分別して保管することは推奨されているけど。
特管産廃の場合は、「混入防止」を規定しているんですね。
イメージして貰うと判ると思うけど、感染性廃棄物にいろんな物が混入すれば、病原菌が付着して感染性廃棄物として処理しなければならない物が増えてしまう。廃石綿等に廃プラスチック類なんかが混入すれば飛散性のアスベストが付着してしまう。
化学薬品の廃酸、廃アルカリに他の廃酸、廃アルカリが混じれば化学反応を起こしてリスクが高まりますね。ましてや、強酸、強アルカリとなるとますます危険。判ります。
ところで、「ただし」書きの「第八条の六各号に掲げる場合」って?
ところで、「ただし」書きの「第八条の六各号に掲げる場合」って?
この条文↓が第八条の六各号。(いつもの「BUNさん流簡略表記」にします。)
省令(特別管理産業廃棄物を区分しないで収集又は運搬することができる場合)
第八条の六 特別管理産業廃棄物を区分しないで収集又は運搬することができる場合は、次のとおりとする。
一 感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物とが混合している場合であつて、当該感染性廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
二 特別管理産業廃棄物である廃水銀等と特別管理一般廃棄物である廃水銀とが混合している場合であつて、当該廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
三 特別管理産業廃棄物である廃水銀等の「基準不適合廃水銀等処理物」と一般廃棄物である基準不適合水銀処理物とが混合している場合であつて、当該廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
四 (3号とほぼ同じ特別管理産業廃棄物である廃水銀等の規定)
省令(特別管理産業廃棄物を区分しないで収集又は運搬することができる場合)
第八条の六 特別管理産業廃棄物を区分しないで収集又は運搬することができる場合は、次のとおりとする。
一 感染性産業廃棄物と感染性一般廃棄物とが混合している場合であつて、当該感染性廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
二 特別管理産業廃棄物である廃水銀等と特別管理一般廃棄物である廃水銀とが混合している場合であつて、当該廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
三 特別管理産業廃棄物である廃水銀等の「基準不適合廃水銀等処理物」と一般廃棄物である基準不適合水銀処理物とが混合している場合であつて、当該廃棄物以外の物が混入するおそれのない場合
四 (3号とほぼ同じ特別管理産業廃棄物である廃水銀等の規定)
感染性廃棄物については産業廃棄物と一般廃棄物は分けなくてよい。水銀廃棄物も同様に産業廃棄物と一般廃棄物は分けなくてよい。ってことですね。
まぁ、特管の水銀廃棄物は排出するところは極めて限定的ですし、感染性はそもそも一般廃棄物と産業廃棄物を分別すること自体「困難」だから規定したんでしょうね。
と、なると、この規定はあるものの「原則、特管産廃は他の物が混入しないよう区分して保管」と考えていていいですね。じゃ、次。
次もBUNさん流簡略表記で紹介するよ。
五 特別管理産業廃棄物の種類に応じ、次に掲げる措置を講ずること。
イ 特別管理産業廃棄物である廃油、PCB廃棄物にあつては、容器に入れ密封すること等揮発の防止のために必要な措置
ロ 特別管理産業廃棄物である廃酸、廃アルカリにあつては、容器に入れ密封すること等当該廃酸又は廃アルカリによる腐食を防止するために必要な措置
ハ PCB汚染物は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じないように形状を変更しないこと。
ニ PCB廃棄物にあつては、腐食の防止のために必要な措置
ホ 廃水銀等にあつては、第一条の十四第二号の規定の例によること。
ヘ 特別管理産業廃棄物である廃石綿等にあつては、梱包すること等当該廃石綿等の飛散の防止のために必要な措置
ト 腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物にあつては、容器に入れ密封すること等当該特別管理産業廃棄物の腐敗の防止のために必要な措置
と、まぁ、このような規定ではある。
五 特別管理産業廃棄物の種類に応じ、次に掲げる措置を講ずること。
イ 特別管理産業廃棄物である廃油、PCB廃棄物にあつては、容器に入れ密封すること等揮発の防止のために必要な措置
ロ 特別管理産業廃棄物である廃酸、廃アルカリにあつては、容器に入れ密封すること等当該廃酸又は廃アルカリによる腐食を防止するために必要な措置
ハ PCB汚染物は、人の健康又は生活環境に係る被害が生じないように形状を変更しないこと。
ニ PCB廃棄物にあつては、腐食の防止のために必要な措置
ホ 廃水銀等にあつては、第一条の十四第二号の規定の例によること。
ヘ 特別管理産業廃棄物である廃石綿等にあつては、梱包すること等当該廃石綿等の飛散の防止のために必要な措置
ト 腐敗するおそれのある特別管理産業廃棄物にあつては、容器に入れ密封すること等当該特別管理産業廃棄物の腐敗の防止のために必要な措置
と、まぁ、このような規定ではある。
なんか不満そうよね。
条文にケチつける訳じゃ無いけど、そもそもこの規定って、冒頭に「特別管理産業廃棄物保管基準は、・・」と言うことで規定している訳でしょ。なのに、どうして一条ごとに「特別管理産業廃棄物である」と形容詞を付けなくてはならないのか、、、とか、「念入りに」って趣旨ではあるだろうけど、そもそも、「共通基準」として「飛散、流出、悪臭、地下浸透、鼠や害虫の害を出してはならない」って規定しているんですよ。ここで規定していることって、ほとんどが「飛散、流出」防止の対策でしょ。これで十分だったんじゃないかなぁって。
まぁ、そう言われればそうねぇ。普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物でも「腐敗」したり「揮発」したり「飛散」はしないようにしなければならない訳だからね。ところで、「ハ」の「形状を変更しないこと」だけはちょっと違っているんじゃない?これって、どういうこと?
ん~、これはねぇ。苦心の産物。もう関係する人もほとんど居なくなったと思うのでお伝えしとこうかな。PCB廃棄物の処理って桁違いに処理料金が高かったんですよ。で、その処理料金はたいていは重量で決まる。したがって、排出者としては極力、軽くして委託したい。
その気持ちは排出者としてよくわかるわ。PCBが付着していないのなら、普通の金属くずとか廃プラスチック類として委託出来る訳ですからね。
そこで、PCB入りのコンデンサーやトランスの余計な部品を取り外す。その程度までなら、むしろ「やった方がいいこと」なんだろうけど、度が過ぎてPCBが封入されている外枠というか入れ物というか、その部分まで削って薄くして、重量を軽くするって人達まで出てきてしまった。
それはリスクが高いわね。削りすぎてPCBが染み出したり、洩れてきたりするものね。
そこで、こういった行為を制限しようとした。しかし、本来、排出者が自分の出す廃棄物を処理する行為は「業許可」の対象では無い。そして、「PCBの処理」と言うことになると厳しい、詳細な「処理基準」が既に制定されている。さらに前述のように「部品の取り外し」は特段、制限するような行為でも無いし、「削りすぎない」のなら、少なくともたてまえとしては「違反」とも言いがたい。それで、なんと「排出事業者が排出事業場で守るべき特別管理産業廃棄物保管基準」の一つとして「形状を変更しない」と「保管基準」として潜り込ませたんだね。
国で制度を作る人もいろんなところで苦労しているんですね。次は?
前回紹介した「事業場外保管届出」も特管産廃でも次の通り↓規定されている。
(特別管理産業廃棄物の保管の届出の対象となる特別管理産業廃棄物)
第八条の十三の二 法第十二条の二第三項前段の環境省令で定める特別管理産業廃棄物は、建設工事に伴い生ずる特別管理産業廃棄物とする。
(特別管理産業廃棄物の保管の届出の対象となる保管)
第八条の十三の三 法第十二条の二第三項前段の環境省令で定める保管は、当該保管の用に供される場所の面積が三百平方メートル以上である場所において行われる保管であつて、次の各号のいずれにも該当しないものとする。
(特別管理産業廃棄物の保管の届出の対象となる特別管理産業廃棄物)
第八条の十三の二 法第十二条の二第三項前段の環境省令で定める特別管理産業廃棄物は、建設工事に伴い生ずる特別管理産業廃棄物とする。
(特別管理産業廃棄物の保管の届出の対象となる保管)
第八条の十三の三 法第十二条の二第三項前段の環境省令で定める保管は、当該保管の用に供される場所の面積が三百平方メートル以上である場所において行われる保管であつて、次の各号のいずれにも該当しないものとする。
どれどれ?300平方メートル以上で、建設系に限定ね。それがなにか?
正直言って、この規定って要るかなぁって思ってる。
どうしてよ?特管産廃なんだから、普通産廃よりも厳重に規制していていいんじゃないの?
じゃ、思い浮かべてくださいよ。建設系の廃棄物で元請が排出者となって出てくる特管産廃ってどんなものが想定される?
特管産廃と言えば、強酸、強アルカリ、燃焼性廃油だけど、これは建設系から多量に排出するとは考えにくいわね。PCBは除外規定ありましたね。感染性廃棄物は排出施設が病院や診療所って定義で、排出者は医療機関だから建設工事の元請からは出てこないわね。廃水銀等や有害物も排出施設限定でしょ。万一、こういった特管産廃が解体工事から出てきたとしても、それはいわゆる「残置廃棄物」となるから、建設工事の元請が排出者では無く、元々の事業者が排出者になるよね。
と、なると、唯一残るのが廃石綿等なんだけど、・・・・
と、なると、唯一残るのが廃石綿等なんだけど、・・・・
これは、本来、飛散しないように排出現場で二重の袋詰めにして排出する。それをわざわざ場外に持ち出して保管するか。しかも300平方メートル以上の場所でしょ。
なるほど、特管産廃を一つ一つ潰して行くと、「建設工事に伴い生ずる特別管理産業廃棄物」をわざわざ「300平方メートル以上」の「場外」で保管するって現実には想定しにくいわね。
この条項は普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の規定を、そのまま、オートマチックに特管産廃にも制定しちゃったけど、現実には「まず起こりえない」状況と考えてよい、となりますよね。
どうせ特管産廃にも「事業場外保管届出」を作るんだったら、普通産廃よりもリスクが高い廃棄物なんだから、「建設系に限定せず」、もっと面積が狭く、たとえば「1平方メートル」でも理屈は通る気はしますね。
じゃ、今回のまとめをしてくださいな。
じゃ、今回のまとめをしてくださいな。
1.特別管理産業廃棄物の「排出事業者の排出事業所での保管基準」は普通の(特管産廃ではない)産業廃棄物の基準とほぼ同じ。
2.特管産廃の種類に合わせた独自の基準もあるが、「共通基準」を遵守するための具体的手法を明示したもの。
3.「事業場外保管届出」規定は普通産廃と同様に制定されてはいるが、現実には想定しにくい。
2.特管産廃の種類に合わせた独自の基準もあるが、「共通基準」を遵守するための具体的手法を明示したもの。
3.「事業場外保管届出」規定は普通産廃と同様に制定されてはいるが、現実には想定しにくい。
読者の皆さんの中には、特管産廃を排出している事業所もあると思います。特管産廃は普通の産廃に比較してリスクも高くなりますから、それぞれの性状を理解して適切な「保管」に心がけてね。
女子サッカーチーム、INAC神戸レオネッサの応援もよろしくね。(夏久愛)
女子サッカーチーム、INAC神戸レオネッサの応援もよろしくね。(夏久愛)
<参考>
(2026年01月)


