「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」(太陽光パネルリサイクル法)が、2026年6月5日、国会で成立し、公布されました。一部を除き、公布日から1年半以内に施行されます。
2011年の東日本大震災以降、政策的な後押しもあって普及した太陽光発電。2030年代後半には大量の太陽光パネルが廃棄される時代がやって来ます。それに備えた新法が成立しました。
本法の概要は、次の図表の通りです。
太陽光パネルリサイクル法
| 正式名称: 太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律 | ||
| 1 | 基本方針 |
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| 2 | 事業用太陽電池廃棄者の判断基準 |
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| 3 | 多量事業用太陽電池廃棄者の届出制度 |
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| 4 | 太陽電池廃棄物再資源化等事業の認定制度 |
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| 5 | 製造・輸入業者、販売業者の環境配慮設計等 |
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本法では、まず主務大臣(環境大臣・経済産業大臣)が太陽電池(太陽光パネル等)の廃棄の抑制や再資源化等に関する基本方針を定めるとともに、国や自治体、太陽電池廃棄者の責務を定めています。
その上で、主務大臣は、事業用太陽電池廃棄者が事業用太陽電池の廃棄の抑制及び事業用太陽電池廃棄物の再資源化等の実施に向けて取り組むべき措置に関し、判断の基準(判断基準)となるべき事項を定めることになっています。主務大臣は、事業用太陽電池廃棄者に判断基準を勘案して、必要な指導及び助言ができます。
ここで注意すべきは、「事業用太陽電池廃棄者」が誰かということでしょう。
太陽光パネルのような工作物を廃棄する場合、撤去の工事が必要になります。廃棄物処理法では、建設工事に伴って排出される廃棄物の排出事業者は、元請業者とされており、発注者ではありません。
しかし、本法における「事業用太陽電池廃棄者」とは、「事業用太陽電池の廃棄をし、又はしようとする者」とされています(第2条4項)。
つまり、太陽光パネルを設置し、発電してきた太陽光発電事業者等となります。解体工事業者等に丸投げすることはできず、発電事業者として、適正なリサイクル等に努めることが求められています。
また、「事業用太陽電池廃棄者」の「事業用」が何を指すかということも気になるところです。
本法における「事業用太陽電池」とは、「太陽電池であって、収益事業において使用されているもの又は使用されていたもの」とされています(第2条1項)。
「収益事業」とは、「太陽光発電事業者の売電、工場や事業所等における製品の製造、商業施設の運営、住宅における売電等が想定されている」とされています(山岸千穂 「使用済太陽光パネルに係るリサイクル制度の構築」『立法と調査』2026.4、77p)。
つまり、太陽光パネルを設置し、売電をしたり、自家消費したりしている場合で、それを廃棄するときは、「事業用太陽電池廃棄者」に該当するということでしょう。工場や事業所に太陽光パネルを設置している企業は、この判断基準の対象になると考えるのが自然と思われます。
判断基準は、環境省・経済産業省令で施行までに定められる予定です。その際は、対象とともに、実施事項を確認することが求められます。
また、本法では、多量事業用太陽電池廃棄者の届出制度も定めています。
多量事業用太陽電池廃棄者は、事業用太陽電池の廃棄をしようとするときは、「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」を主務大臣に届け出ることが義務付けられています(非常災害等を除く)。
届出をした者は、届出受理日から原則30日を経過した後でなければ、自ら排出し、又は他の者に工事を行わせて排出させてはなりません。
主務大臣は、その計画が判断基準に照らして著しく不十分なときは、勧告、命令ができ、命令違反の場合は、100万円以下の罰金等の罰則もあります。
この規制対象となる「多量」の重量が気になりますが、これは政令で定められることになっており、現時点では不明です。本法施行までにこの対象がどうなるのかも注意するとよいでしょう。
この他、太陽電池廃棄物再資源化等事業の認定制度も定められ、認定されれば、都道府県ごとの廃棄物処理法の許可を不要とし、費用効率的なリサイクルを促進するための措置も整備されます。
このように、本法では、太陽光パネルのリサイクルに向けて、規制や促進に関する様々な措置を定めています。
工場や事業所に太陽光パネルを設置している企業も、本法の施行を見据えて、単純な埋立て処分を避け、廃棄の抑制とリサイクルを目指していくべきでしょう。
◎「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案の閣議決定について」(環境省)
⇒ https://www.env.go.jp/press/press_03716.html
(2026年07月)


