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建設廃棄物⑥

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行政書士 尾上 雅典氏
(エース環境法務事務所 代表)

 今回から、廃棄物処理法第21条の3第3項(下請負人が行う廃棄物の運搬に係る例外)の解説をします。

法第21条の3第3項(下請負人が行う廃棄物の運搬に係る例外)

 建設工事に伴い生ずる廃棄物(①環境省令で定めるものに限る。)について当該建設工事に係る②書面による請負契約で定めるところにより下請負人が自らその運搬を行う場合には、第七条第一項、第十二条第一項、第十二条の二第一項、第十四条第一項、第十四条の四第一項及び第十九条の三(同条の規定に係る罰則を含む。)の規定の適用については、第一項の規定にかかわらず、当該下請負人を事業者とみなし、③④当該廃棄物を当該下請負人の廃棄物とみなす

 一見すると、この条文は法第21条の3第1項の「元請事業者が建設廃棄物の排出事業者」という原則に矛盾しているように見えますが、非常に限定された条件下で発生する少量の建設廃棄物については、下請事業者を排出事業者とみなし、廃棄物収集運搬業の許可を所持していなくても運搬することを許すという例外規定になります。

① 「環境省令で定めるもの」とは、廃棄物処理法施行規則第18条の2になります。

(法第21条の3第3項 の環境省令で定める廃棄物)
施行規則第18条の2 法第21条の3第3項の環境省令で定める廃棄物は、次の各号のいずれにも該当すると認められる廃棄物とする。
一 次のいずれかに該当する建設工事に伴い生ずる廃棄物(特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物を除く。次号において同じ。)であるもの
A)イ 建設工事(建築物等の全部又は一部を解体する工事及び建築物等に係る新築又は増築の工事を除く。)であつて、その請負代金の額が五百万円以下であるもの
B)ロ 引渡しがされた建築物等の瑕疵の修補に関する工事であつて、これを請負人に施工させることとした場合における適正な請負代金相当額が五百万円以下であるもの
二  次のように運搬される廃棄物であるもの
C)イ 一回当たりに運搬される量が一立方メートル以下であることが明らかとなるよう区分して運搬されるもの
D)ロ 当該廃棄物を生ずる事業場の所在地の属する都道府県又は当該都道府県に隣接する都道府県の区域内に存する施設(積替え又は保管の場所を含み、元請業者(法第21条の3第1項 に規定する元請業者をいう。)が所有権を有するもの(所有権を有しない場合には、当該施設を使用する権原を有するもの)に限る。)に運搬されるもの
E)ハ 当該廃棄物の運搬途中において保管が行われないもの
2 F)建設工事を同一の者が二以上の契約に分割して請け負う場合においては、これを一の契約で請け負つたものとみなして、前項第一号イの規定を適用する。ただし、正当な理由に基づいて契約を分割したときは、この限りでない。

 平成23年2月4日付 環廃対発第110204005号 環廃産発第110204002号通知では、下記のように施行規則第18条の2の規定を解説しています。

A)対象となる建設工事 その1

 解体工事、新築工事又は増築工事以外の建設工事(維持修繕工事)であって、その請負代金の額が500万円以下の工事。
 「請負代金の額」とは、発注者からの元請負代金をいうこと。

 まず、新築、増築、解体工事は法第21条の3第3項の対象から外れます。そのため、それらの工事で発生した廃棄物については、下請事業者が建設現場から廃棄物を持ち出す場合、下請事業者は例外なく廃棄物収集運搬業の許可を所持していなくてはいけません。
 では、どのような建設工事が法第21条の3第3項の対象となるかについてですが、建物の修繕やエアコンの据え付け工事等の、小規模な「維持修繕工事」に限定されています。
 また、請負代金の額が500万円以下というのは、「元請事業者から下請事業者への発注額」ではなく、「発注者から元請事業者への発注額」であることにも注意が必要です。
 要点をまとめると、「解体工事、新築工事又は増築工事以外の建設工事(維持修繕工事)」であり、なおかつ「請負代金の額が500万円以下の工事」でないと、法第21条の3第3項の対象にはならないということです。

B)対象となる建設工事 その2

 引渡しがされた建築物その他の工作物の瑕疵の補修工事であって、その請負代金相当額が500万円以下の工事。
 「瑕疵の補修工事」とは、新築工事等の完了後、それらの工事の一環として行われる修繕工事をいうこと。新築工事等の請負代金の額は500万円を超える場合であっても、瑕疵の補修工事の請負代金相当額が500万円以下であれば、この要件に該当すること。

 発注者への引き渡しが済んだ建築物や工作物の瑕疵の補修工事については、「新築工事の請負代金」が500万円以下である必要はなく、「瑕疵の補修工事」単体で請負代金が500万円以下であれば、法第21条の3第3項の対象になります。

(2020年03月)

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