このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
一昨年度入社の3年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「委託契約書」の話でしたね。ただ、「排出場所の所在地」という法定項目ではない項目の話で終わってしまいました。今回はどんな話ですか?
今回はいよいよ「委託契約書」の法定項目に入りましょうか。
はい、では、お願いします。
法定項目が14あることは前回話しましたね。では、その①産業廃棄物の種類、量。
これは説明して貰わなくとも判るわ。廃プラスチック類10トンとか記載すればいいんでしょ。
ん~、それはそのとおりなんだけど、基礎知識はバックナンバーで確認して貰うこととして、今回はちょっと応用、まぁ、言葉は悪いが「ひねくれた」ことで復習していこう。たとえば、アイさんの事業所から壊れたファンヒーターが排出されたとしよう。どういう契約書の記載になるかな?
「廃ファンヒーター」と契約書に書いちゃう手はあると思うけど、そんな契約書はファンヒーターが壊れたとき位しか役に立たないわね。扇風機の時は契約書を結び直ししなくちゃならなくなる。
そうだね。それにそんな契約書だと相手、つまり処理業者側がその廃棄物を扱えるかも確認出来ないよね。
そうだねぇ。たぶん、後で出てくると思うけど、産業廃棄物の委託契約書って許可証の写しを添付しておかなくちゃならないんでしょ。その添付の許可証で確認出来ないようじゃ、なんのために添付しているか意味なくなりますもんね。
これについては、参考になる通知があるんだ。
「産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)」(平成23年3月17日環廃産発第110317001号)の中に
... 「産業廃棄物の種類ごとに交付する」とは,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条に規定する産業廃棄物の種類ごとに管理票を交付することを原則とするが,例えばシュレッダーダストのように複数の産業廃棄物が発生段階から一体不可分の状態で混合しているような場合には,これを1つの種類として管理票を交付して差し支えないこと。
「産業廃棄物管理票制度の運用について(通知)」(平成23年3月17日環廃産発第110317001号)の中に
... 「産業廃棄物の種類ごとに交付する」とは,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条に規定する産業廃棄物の種類ごとに管理票を交付することを原則とするが,例えばシュレッダーダストのように複数の産業廃棄物が発生段階から一体不可分の状態で混合しているような場合には,これを1つの種類として管理票を交付して差し支えないこと。
へぇぇ、これはマニフェストに関しての通知のようですが,契約書においても同様に運用していいんじゃないかってことですね。
まぁ、現実的にもそのように運用されているしね。したがって,原則的には産業廃棄物20種類の区分で契約します。
と、なると、先ほどの「廃ファンヒーター」なら、その材料、部品を考えて、廃プラスチック類、金属くず、それにガラス陶磁器くずの3品目ってことですかねぇ。
そうだね。大抵の家電製品などはこの3品目としている自治体が多いね。
でも、この原則をふまえてのことにはなるけど、排出事業者と処理業者が相互に納得して、しかも,社会的にも通じるような呼び方ならそういう記載でもいいってことね。
そうだね。ただ,その際は受入側の許可の内容をよく確かめ,その品目を扱っても無許可にならないことを十分に確認してください。
まず、受け手側の許可を確認して、「事業の範囲」に委託しようとする産業廃棄物の種類が記載されているか、その処理ができる業者なのか。その上で、排出事業者も処理業者も相互に納得してのことなら、社会一般に使われている文言の「廃家電」や、もっと具体的に「廃ファンヒーター」といった書き方で契約してもいいよってことですね。
そうだね。この項目は、もう一つ現実には悩ましい点があるよ。それは「量」。
「量」は難しい事なんて無いですよね。何キログラムとか何トンとか何立方メートルとか書けばいいんでしょ?なぜ難しいの?
産業廃棄物委託契約書って締結するのはいつだっけ?
「事前に」、つまり、実際に産業廃棄物を委託する前って教わったし、そうしてるわ。
そうだね。委託契約は事前に書面により締結することが求められている。すなわち、将来発生するであろう「量」を予め契約することになるよね。
たとえば、契約書で「100トン」としたが、実際にやってみたところ98トンしか発生しなかったケースで「廃棄物処理法違反」になるのかな?
たとえば、契約書で「100トン」としたが、実際にやってみたところ98トンしか発生しなかったケースで「廃棄物処理法違反」になるのかな?
そんなぁ。産業廃棄物の発生量が少なければ褒められることはあっても、法令違反ってことはないよね。
そうなんだ。産業廃棄物の発生量を事前に正確になんて「神のみぞ知る」の世界なんだ。
そんな「紙の味噌汁」なんて誰も食べないよ。どう言うように考えていいのか解説してよ。
はっきり言っちゃうといろんな人から非難されそうだけど、BUNさんは次のように考えているんだ。
廃棄物処理法では「委託契約は政省令で規定する事項が含まれる」ことを規定していて、その契約を履行することは規定していない。
廃棄物処理法では「委託契約は政省令で規定する事項が含まれる」ことを規定していて、その契約を履行することは規定していない。
えぇぇぇ、そんなぁ。廃棄物処理法の根幹を揺るがすような発言。今後、誰もBUNさんを信用しなくなるよ。
じゃ、条文を紹介するね。
政令(事業者の産業廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)
第六条の二 法第十二条第六項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
四 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。
イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
このように、廃棄物処理法では「書面による契約」とその「記載事項」を規定しているでしょ。それ以降、どの程度契約に忠実に履行するのかは、他の民事上の契約同様に当事者(甲乙間)に任せられていると考えるべきなんだろうと思うんだ。
まぁ、こういった点もあり廃棄物処理法における産業廃棄物委託契約書は、排出者側にだけの義務であり受託者側には規定されていない。推察するに、法は必須事項のみ規定し、それをどの程度忠実に、どの程度の精度で実行するかは当事者間に任せている。そのような形態で無ければ現実的に法令事項には出来ないと解釈するべきじゃないかと考えているんだ。
もちろん、法律違反では無いとしても、これも他の民事上の契約と同様に、損害賠償を請求されたり民事訴訟を起こされるリスクはあるよ。
政令(事業者の産業廃棄物の運搬、処分等の委託の基準)
第六条の二 法第十二条第六項の政令で定める基準は、次のとおりとする。
四 委託契約は、書面により行い、当該委託契約書には、次に掲げる事項についての条項が含まれ、かつ、環境省令で定める書面が添付されていること。
イ 委託する産業廃棄物の種類及び数量
このように、廃棄物処理法では「書面による契約」とその「記載事項」を規定しているでしょ。それ以降、どの程度契約に忠実に履行するのかは、他の民事上の契約同様に当事者(甲乙間)に任せられていると考えるべきなんだろうと思うんだ。
まぁ、こういった点もあり廃棄物処理法における産業廃棄物委託契約書は、排出者側にだけの義務であり受託者側には規定されていない。推察するに、法は必須事項のみ規定し、それをどの程度忠実に、どの程度の精度で実行するかは当事者間に任せている。そのような形態で無ければ現実的に法令事項には出来ないと解釈するべきじゃないかと考えているんだ。
もちろん、法律違反では無いとしても、これも他の民事上の契約と同様に、損害賠償を請求されたり民事訴訟を起こされるリスクはあるよ。
ちょっと、混乱してきたわ。じゃ、受け手側の処理業者は契約を守らなくてもいいってことになるの?今回は、とりあえず、ここまでをまとめてくださいな。
繰り返すけど、「廃棄物処理法では契約書の事項」を規定しているのであり、この項目が入っていなければ、排出事業者は「廃棄物処理法違反」になる。でも、受け手側の処理業者は「廃棄物処理法違反」にはならない。そもそも、受け手側には委託契約書の規定が無いから。
では、受け手側の処理業者はフリーハンドで何をやってもいいかというとそうでは無く、契約書である限り民事上の「甲乙間の責任」があり、契約書どおりにやらなければ、「契約違反」ということで民事訴訟を起こされたり、損害賠償を求められる可能性はある。
さらに、受け手側の処理業者は「許可」を取得している訳なので、やれることは、あくまでも「許可の範疇」、具体的には「事業の範囲」を逸脱する行為は廃棄物処理法違反となる、ということかな。
もっと簡潔に言えば、排出事業者は委託基準で、処理業者は許可で、枠をはめられているってことになるかな。
まぁ、この関係は他の契約書項目でも登場してくると思いますから、じっくり勉強していきましょ。
では、受け手側の処理業者はフリーハンドで何をやってもいいかというとそうでは無く、契約書である限り民事上の「甲乙間の責任」があり、契約書どおりにやらなければ、「契約違反」ということで民事訴訟を起こされたり、損害賠償を求められる可能性はある。
さらに、受け手側の処理業者は「許可」を取得している訳なので、やれることは、あくまでも「許可の範疇」、具体的には「事業の範囲」を逸脱する行為は廃棄物処理法違反となる、ということかな。
もっと簡潔に言えば、排出事業者は委託基準で、処理業者は許可で、枠をはめられているってことになるかな。
まぁ、この関係は他の契約書項目でも登場してくると思いますから、じっくり勉強していきましょ。
今回は、初めて聞く人にとっては、なかなかすんなりとは納得いかない内容だったかもしれませんね。
次回は、項目を変えて、このあたりもう少し丁寧に解説して下さいな。
アイも女子サッカーチームアイナックを応援しながら考えてみるから。
8月22日(土)にリーグが開幕します。
リーグ2連覇、カップ戦優勝、皇后杯優勝、アジア制覇、アイナックファミリー皆で4冠を掴み取りましょう。是非ホームゲームに来てください。
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(2026年08月)


