大栄環境グループ

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その14「委託基準4」

BUN 環境課題研修事務所
長岡文明 氏

このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
一昨年度入社の3年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「委託契約書」の法定項目の「種類と量」の話でしたね。その中で、「委託契約書は排出事業者の責務であり、受け手側の処理業者には規定されていない」ことや「法令では契約書の項目を規定していて、それをどの程度の精度で履行するかは社会常識と甲乙間の取り決め」という話でした。今回はどんな話ですか?
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今回は「委託契約書」の次の法定項目である②委託契約有効期間、③受託者支払金額、④業許可事業範囲を見ていきましょうか。
はい、では、お願いします。
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②委託契約有効期間については、通知でも具体的な期間の例示はありません。
1日でもいいし、10年間でもいいってことですか。
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そうですね。ただ、建設工事の工期等の関係から3年間とした契約も見たことはありますが、現実には物価の変動始め社会情勢は変わるでしょうから、たいていの契約書は1年間としているものが多いですね。
契約事項が変わらなければ「自動更新」でもいいんですよね。
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はい、「自動更新OK」ということは通知でも記載されています。生産系の事業所では自動更新条項を入れているケースが多いですね。ただ、自動更新も注意しなければならないことがあります。
どんなことですか?
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まず、法令上注意しなければならないことは、受け手側の処理業者の許可の内容が変更していないか。特に、品目やエリアが減少されていたりしているケースです。
今まで「汚泥、廃プラスチック類、金属くず」で取っていたのがなにかの事情で「廃プラスチック類、金属くず」の2品目になっていたのに気がつかずに委託していた・・・とかですか?
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そうですね。ただ、さすがに品目の減少は通常、良心的な業者さんなら排出事業者にお知らせするでしょう。割とうっかりしがちなのが、後で出てきますが「積替保管の場所が変わっていた」とか、「中間処理残渣物の最終処分場が変わっていた」とか。また、法令改正により法定項目が追加されていたとかですね。
そうそう、令和8年からPRTR法関連事項が法定事項として追加されたんですよね。該当している事業所は自動更新って訳にはいかなかったでしょうね。
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あとねぇ。実務としての課題として、自動更新条項入りの契約書っていつまで保存しておかなければならないかわからなくなる。
そうかぁ。契約書の保存は何回か前に復習、確認したけど「契約終了の日から5年」でしたね。自動更新条項入りだと、いつ終了したかが判然としなくて何十年も前のものまで廃棄できないかぁ。うちの会社の地方の事業所でもありそうだなぁ。この前、業務監査したら「この会社に最後に委託したのは3代前の担当者の時代です」なんていうのがあったなぁ。そう考えると自動更新も痛し痒しってこともあるわね。
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そうだねぇ。まぁ、自動更新条項を入れるとしても、「最長10年」とか、または、処理業許可の更新が5年、優良認定を取っていれば7年だから、これに合わせて、許可更新時に契約も見直しするような社内ルールがあってもいいかもしれないね。
次の③受託者支払金額については、なにかありますか?
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「支払料金」も前回話した「量」と同じ課題があるね。
「やってみないとわからない」要素ですね。「100トンだから100万円」と契約していて「98トン」しか排出しなかったときは、100万円払うのか、それとも98万円でいいのかってことですね。
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そうだね。前回、話したように廃棄物処理法で規定している産業廃棄物の委託契約書は「契約書にその事項を盛り込みなさい」という規定であり、それをどの程度、忠実に履行するかは甲乙、当事者間の約束事ってなりますね。
でも、だからこそ「単価契約」でもいいよって通知に書いてあるんでしょ。
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そうだね。単価契約でもいいし「月ごと」「週ごと」という「支払料金」でもいいよって通知しているね。
「月ごと」「週ごと」って我が社では経験無いけど、どういう状態なんですか?
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これは「少量だけど頻度が高い」ってケースが多いかな。たとえば、動植物性残渣などは腐敗していく。だから、長期間、排出事業者の事業所には置いておきたくない。「1日おきに取りに来てくれ」とか「週一回は来てくれ」となる。
なるほど。そうなると、収集運搬業者さんとしては、産廃の「量」よりも、車両のガソリン代や手間賃の比率が高くなる訳ですね。
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まぁ、これでわかると思うんだけど、「産廃委託契約書」と言うと、しゃちほこばって「とにかく法令通り」にしておかなければならないと堅苦しく捉えている人がいるけど、社会常識のレベルでいいと思うんですよ。法令の主旨を逸脱しなければね。
そうですね。実態に合わない内容や条項にしていてもしょうがないですからね。じゃ、次をお願いします。
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④業許可事業範囲なんだけど、改めて考えてみると契約書に記載する事項としては変だよね。
「変」って?どういう意味で変なんですか?
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だって、他の分野の委託契約、民事上の契約って、当事者である「甲」が、当事者である「乙」に頼み事をする約束でしょ。その時に、相手が出来ないことを頼む?
出来ないことは頼まないわね。友達から「アイさん、100メートルを10秒で走って下さい」と頼まれても引き受けないし、相手も頼まないわね。仕事上も1日に100個しか生産できない人に500個納入して下さい、なんて契約はしないわ。
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そうでしょ。だったら、産業廃棄物の処理を頼むときに、相手が廃プラスチック類しか扱えないのに汚泥の処理を頼む人いる?
いないわね。
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そうでしょ。その時、契約書に「あなた、汚泥は扱えますか?廃プラスチック類は扱えますよね?」って記載する?
普通に考えれば、やれる人を、まずは選んで、やれることを確認してから契約書を締結するわね。
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でしょ。「事業の範囲」ってなんだった?
許可証に記載してある、その人物がやれること。産業廃棄物の種類と処理の方法でしたね。
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そうだね。そして、何回も確認するけど、廃棄物処理法の産業廃棄物の委託契約書は誰の義務だった?
法的には排出事業者だけの義務で受け手側の処理業者の義務では無い。
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排出事業者が自分の契約書に相手側の事情記載する必要ってある?しかも、自分は委託しない産業廃棄物の種類とか記載する必要ある?
そう言われれば、そうですね。廃プラスチック類を頼みたいときに、相手は廃プラスチック類の許可を持っていれば十分の話で、その他に汚泥や金属くずの許可を持ってるかどうかなんて、関係の無いことですね。
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これでわかると思うけど、産業廃棄物委託契約書の法定事項って言うのは、甲乙間の契約・約束であると同時に排出事業者の最終確認事項なんですよ。
なるほど。排出事業者側のチェック票って位置付けにもなってるってことかぁ。
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産業廃棄物を委託するにあたっての最終チェック票。それが廃棄物処理法で規定する「産業廃棄物処理委託契約書」。時折、「処理業者は廃棄物処理法のプロなんだから、業者が提示する契約書にほとんど記載して貰って、我が社は社長印を押すだけで済む。」って人が居るけど、それは折角与えていただいたチェックの機会を放棄していることにもなるね。
改めて我が社も機会ある毎に委託契約書、チェックしておくようにします。じゃ、今回のまとめ的な話をお願いします。
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1.産業廃棄物委託契約書は法定事項を盛り込まないとダメ。2.でも、その事項は法令の主旨を逸脱しなければ当事者である甲乙間で、割と自由な内容にすることは容認されている。3.自動更新条項は便利ではあるが法定事項や契約書の保存期限に注意が必要。4.産業廃棄物委託契約書は排出事業者の最終チェック表。こんなところかな。
今回も、今までなんの疑問も持たずにやっていたことが、だいぶ整理出来た目から鱗の感じです。次回もよろしくお願いいたします。
皆さんも予習、復習とともにアイナックの応援もよろしくね。
8月22日(土)にリーグが開幕し、初戦を見事勝利で飾りました。この勢いのまま、チーム一丸となって優勝を目指しましょう。
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(2026年09月)

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