このシリーズのアシスタント、サッカー大好き。夏久愛(なつくあい)です。
一昨年度入社の3年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「委託契約書」の法定項目の②委託契約有効期間、③受託者支払金額、④業許可事業範囲の話でしたね。産業廃棄物委託契約書は単に甲乙間の民事上の取り決めに留まらず、「排出事業者の最終チェック表」という面もあるという話でした。今回はどんな話ですか?
一昨年度入社の3年目で、総務部環境管理課で、グループ企業を含めての廃棄物管理を担当しています。
廃棄物処理法は難しくて、どんなことに注意していけばよいのか、まだまだ判らないことも多いので、「排出事業者がやっちゃいそうなミス」なんかを中心に教わっていきたいと思います。
前回は、「委託契約書」の法定項目の②委託契約有効期間、③受託者支払金額、④業許可事業範囲の話でしたね。産業廃棄物委託契約書は単に甲乙間の民事上の取り決めに留まらず、「排出事業者の最終チェック表」という面もあるという話でした。今回はどんな話ですか?
今回は「委託契約書」の次の法定項目である「⑤適正処理のための必要な情報提供」を見ていきましょうか。
はい、では、お願いします。
この事項は解釈と運用が難しいこともあるので、まずは条文をそのまま見ていただこうと思います。
条文のコピペですから一旦<着地点>まで飛んでいただき、関係箇所を見直してもいいかと思います。
(委託契約書に含まれるべき事項)
第八条の四の二 令第六条の二第四号ヘ(令第六条の十二第四号の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
六 委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報
イ 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
ロ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項
ハ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
ニ 当該産業廃棄物が次に掲げる産業廃棄物であつて、日本産業規格C〇九五〇号に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項
(1) 廃パーソナルコンピュータ
(2) 廃ユニット形エアコンディショナー
(3) 廃テレビジョン受信機
(4) 廃電子レンジ
(5) 廃衣類乾燥機
(6) 廃電気冷蔵庫
(7) 廃電気洗濯機
ホ 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨
へ 委託者が特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成十一年法律第八十六号)第二条第五項に規定する第一種指定化学物質等取扱事業者である場合であつて、かつ、委託する産業廃棄物に同条第二項に規定する第一種指定化学物質(同法第五条第一項の規定により第一種指定化学物質等取扱事業者が排出量及び移動量を把握しなければならない第一種指定化学物質に限る。)が含まれ、又は付着している場合には、その旨並びに当該産業廃棄物に含まれ、又は付着している当該物質の名称及び量又は割合
ト その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
<着地点>
条文のコピペですから一旦<着地点>まで飛んでいただき、関係箇所を見直してもいいかと思います。
(委託契約書に含まれるべき事項)
第八条の四の二 令第六条の二第四号ヘ(令第六条の十二第四号の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の環境省令で定める事項は、次のとおりとする。
六 委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報
イ 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項
ロ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項
ハ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項
ニ 当該産業廃棄物が次に掲げる産業廃棄物であつて、日本産業規格C〇九五〇号に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項
(1) 廃パーソナルコンピュータ
(2) 廃ユニット形エアコンディショナー
(3) 廃テレビジョン受信機
(4) 廃電子レンジ
(5) 廃衣類乾燥機
(6) 廃電気冷蔵庫
(7) 廃電気洗濯機
ホ 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨
へ 委託者が特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成十一年法律第八十六号)第二条第五項に規定する第一種指定化学物質等取扱事業者である場合であつて、かつ、委託する産業廃棄物に同条第二項に規定する第一種指定化学物質(同法第五条第一項の規定により第一種指定化学物質等取扱事業者が排出量及び移動量を把握しなければならない第一種指定化学物質に限る。)が含まれ、又は付着している場合には、その旨並びに当該産業廃棄物に含まれ、又は付着している当該物質の名称及び量又は割合
ト その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項
<着地点>
後に下がるほど文章が長くなるってことは判ります。朧気な記憶では「二」は「R」印の「含有マーク」、「ホ」は「アスベストと水銀廃棄物」、「ヘ」は令和8年に追加された「PRTR法関連物質」でしたね。
よく勉強していますね。偉いぞ。
エッヘン。とは言え、現場、実務の少ない私としては具体的にどんなことを契約書に書くべきか、今ひとつピンと来ていないので、改めて解説お願いします。
契約書やマニフェストは過去に何回か解説通知も出ているし、さらにそれをより現実的な対応として振興センターのテキストで噛み砕いて記載しているから、今回はそれを借用しましょう。
「振興センター」って、処理業許可を取得するときに経営陣が受講したり、特管産廃管理責任者の資格の講習会をやっているところよね。それなら、BUNさんの解説より信頼できるわ。
失礼な奴だな。振興センター、正式には(公財)日本産業廃棄物処理振興センターのテキストは長年、BUNさんも執筆者の一人なんだぞ。
はいはい、わかりましたから早速紹介して下さいな。
まず、「産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項」なんだけど、これは「固形状や泥状、段ボール箱詰めやドラム缶入り等を記載する。」だね。
常識ね
次に「通常の保管状況の下での腐敗、揮発等、当該(特別管理)産業廃棄物の性状の変化に関する事項」なんだけど、「腐敗による悪臭やねずみ・害虫等の発生、揮発ガスの発生等により、健康被害等の生活環境保全上の支障が生ずるおそれがあることから、通常の保管状況における当該(特別管理)産業廃棄物の性状の変化に関する事項を記載する。」だね。
これも常識よね。
「他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項」は「収集・運搬や処分の過程における他の廃棄物との混合や、水との接触、衝撃等により生ずるおそれがある性状の変化及びこれらに起因する人の健康又は生活環境に係る被害(悪臭の発生や爆発等)や予定する処分に対する支障等を記載する。」だね。
なんだか、これって解説になっているの?廃棄物処理法を知らなくても常識のある日本人なら、たいていの人はそう書くわね。
だから、このシリーズでは何回も言っているでしょ。「委託契約書」は肩肘張らずに条文の主旨を踏まえていれば、常識的な記載方法でいいんだって。でもねぇ、次の事項からはなかなか「常識」では記載できないかも。
「ニ」の「含有マーク」の規定ですね。どれどれ?ほんとだ。そもそも「日本産業規格C〇九五〇号」ってなに?
おっ、やっと振興センターのテキスト以上のことを話せるね。ちょっと前までは「日本工業規格」と言ってたけど、2019年の法律改正で「日本産業規格」と変更されました。いわゆる「
JIS」です。
いろんなことを統一、標準化しておかないとなにかと不便なことから決められているルールですね。
はい。その「規格」で「C〇九五〇号」というのは「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」について定めたルールのようです。で、その対象となる機器は資源有効活用促進法で規定している機器に限定しているようなんだ。
へぇぇ、資源有効活用促進法って令和7年の大改正で、廃棄物処理法の処理業許可が不要になる「認定制度」を新たに規定した法律ですよね。いろんなところに登場する法律なんですね。で、具体的な「機器」は?
これがさっきの条文で列記している(1)廃パソコンから(7)廃洗濯機 の7製品。
で、どういう時にこの製品に「含有マーク」が付けられるの?
ざっくり言えば、有害物質が含有している印だね。
具体的には?
鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB(ポリブロモビフェニル)、PBDE(ポリブロモジフェニルエーテル)の6物質のようだね。
有害な物が産業廃棄物の中に入っていたら、それを処理する許可業者さんは、それなりの対応を取らなければならないわけだから、そのことを予め契約書の中で知らせておくってことは理解できるけど、有害な物は特別管理産業廃棄物になっているんじゃないですか。
基礎知識で勉強したと思うけど、「有害なことにより特管産廃になる物」って限定されていたでしょ。
そうかぁ。特管産廃の中の小グループの「特定有害」の中の「有害な産廃」でしたねぇ。たしか、溶質、というか有害な物質は26物質に限定される上に、溶媒というかそれが含有している産廃の種類が限定され、そして、それを排出する事業所が限定されている。もちろん、基準値以上の濃度って要件もある。
そのとおり。有害なことにより特管産廃になるには溶質、溶媒、排出事業場、濃度の4つの要素が揃ったときだったね。だから、いくら有害でも特管産廃にはならない物もある。特に今回のこの「含有マーク」は「電子基板」のような電気製品の部品に僅かに使用されている「素材」のようなものだから「有害な物質」ではあっても「特管物にはならない」ものがほとんどじゃないかな。
でも、そうなると逆に、「この6物質でいいのか」ということもあるわね。それがあるから令和7年改正でPRTR関連条項も追加されたんでしょ。
「含有マーク」の条項が出来たのが平成18年頃だから、PRTR法の条項までには約20年経過しているけどね。BUNさんが思うにこの「含有マーク」は単に「有害だから」という理由だけでは無いようなんだ。
どんなこと?
この品目は資源有効活用促進法で規定しているってこともあるし、「日本産業規格C〇九五〇号」には次のような一文があるんだ。
「序文 この規格は,電気・電子機器に含まれる特定の化学物質の含有表示方法を標準化することによって,サプライチェーン及びライフサイクル各段階の事業者における特定の化学物質の管理の改善を促進するとともに一般消費者の理解を容易にし,もって資源の有効な利用の質の向上及び環境負荷の低減を図り,適切に管理された電気・電子機器をより普及させることを目的としている。」
「序文 この規格は,電気・電子機器に含まれる特定の化学物質の含有表示方法を標準化することによって,サプライチェーン及びライフサイクル各段階の事業者における特定の化学物質の管理の改善を促進するとともに一般消費者の理解を容易にし,もって資源の有効な利用の質の向上及び環境負荷の低減を図り,適切に管理された電気・電子機器をより普及させることを目的としている。」
単に「適正処理」だけでなく、「資源の有効な利用の質の向上」を目的としているんですね。
令和7年に再資源高度化法が施行され、「サーキュラーエコノミー」という文言が注目されて、許可不要制度の一つとして「高度資源化認定(類型①)」が制定されたけど、この認定の重要なポイントとして「アウトプットの資源化」がある。この制度の20年も前に産業廃棄物委託契約書の法定項目にこれを入れていたと言うことは改めて感心したよ。
良い制度で先駆けた制度だってことは判ったけど、ただ、この条文でちょっと判らない表現があるんですよ。「含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項」って規定ですよね。
「含有マークが付いている製品ならその旨」じゃないですよね。と言うことは、産業廃棄物として処理委託するときに「我が社が委託するこの廃電化製品には日本産業規格C〇九五〇号で規定している部品が使われています」ってことではないですよね?「表示に関する事項」と言う位ですから「黄色いシールで表示しています」とか「マークの大きさは5センチ四方です」なんていうことを「契約書の中」で「お知らせします」って規定しておかなければならないんですか?
「含有マークが付いている製品ならその旨」じゃないですよね。と言うことは、産業廃棄物として処理委託するときに「我が社が委託するこの廃電化製品には日本産業規格C〇九五〇号で規定している部品が使われています」ってことではないですよね?「表示に関する事項」と言う位ですから「黄色いシールで表示しています」とか「マークの大きさは5センチ四方です」なんていうことを「契約書の中」で「お知らせします」って規定しておかなければならないんですか?
するどいねぇ。この点はBUNさんもこの制度がスタートしたときに不思議に思ったんですよ。東京都のHPで提示しているは「モデル契約書」の「記入例」ですらこの条項については「当該産業廃棄物が、日本産業規格(JIS
C0950)に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項」と条文通りの表現しか取っていない。それで、改めて日本産業規格C〇九五〇号を見てみると、アイさんの疑問に答えるかのように、具体的に含有マークの「色」や「大きさ」が決められているんですよ。
出典:日本産業規格C〇九五〇号「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」p3
(https://kikakurui.com/c0/C0950-2008-01.html)
本来、たてまえであれば、産業廃棄物処理委託契約書には「排出事業者甲が委託する廃電化製品に付けられている含有マークは白の背景に赤字で、該当する化学物質名は記号の下に黒地で化学物質名を表示しているものである」などと記載しなければならないのかもしれないねぇ。でも、正直、現実的には実際に委託をする事前に締結が求められている委託契約書にこれ程具体的に記載することは、多くの排出事業者にとっては不可能に近い。
そうよね。食料品製造業で通常では動植物性残渣しか処理を委託しない排出事業者にとっては、まず、関係しないことだし。
まぁ、そこで、この項目については自治体や振興センターで提示している「標準委託契約書」ですら、あまり深入りせずに、前述のように「法令条文の通り」で対応しているところがほとんどでしょうね。
こんな現実的に対応が難しいことを規定して意味があるのかなぁ。
おっ、またまた、鋭いところを突いてきたね。これについては次以降の項目でも感じることなので、続きは次回以降としましょうか。
それじゃ、とりあえず今回のまとめ、らしきコメントをお願いします。
「産業廃棄物処理委託契約書」の法定項目には⑤適正処理のための必要な情報提供がある。
多くの事項は、法律の主旨を逸脱しなければ常識の範囲で記載してよい。
「含有マーク」についても、廃棄物処理法と日本産業規格C〇九五〇号の主旨を理解し、該当するケースでは必要な情報を処理業者に伝えるようにする。
こんなところかな。
多くの事項は、法律の主旨を逸脱しなければ常識の範囲で記載してよい。
「含有マーク」についても、廃棄物処理法と日本産業規格C〇九五〇号の主旨を理解し、該当するケースでは必要な情報を処理業者に伝えるようにする。
こんなところかな。
今回も、今までなんの疑問も持たずにやっていたことが、だいぶ整理出来た目から鱗の感じです。次回もよろしくお願いいたします。
皆さんも予習、復習とともにアイナックの応援もよろしくね。
現在、カップ戦・リーグ戦と厳しい試合が続いています。
優勝に向けて一つ一つ勝利を積み重ねていけるよう、これからも熱い応援を送っていきましょう。
皆さんも予習、復習とともにアイナックの応援もよろしくね。
現在、カップ戦・リーグ戦と厳しい試合が続いています。
優勝に向けて一つ一つ勝利を積み重ねていけるよう、これからも熱い応援を送っていきましょう。
(2026年10月)


